名だたる著名人も愛した英国生まれのジャケット。BARACUTAのG9を紹介!
春や秋にサラッと羽織れるアウター、そんな一着があると重宝しますよね。「大人が着ても様になるようなジャケットやブルゾンないかな?」なんて思っている方も多いのではないでしょうか。 そんな方へ向けて、本記事ではBARACUTAのG9を紹介します。BARACUTAのG9の特徴や魅力について解説するのでぜひ参考にしてください。G9と同じくらいおすすめの別のモデルにも触れますのでお楽しみに。 小慣れた大人ファッションを堪能して、日々の暮らしを華やかに彩りましょう。 BARACUTAとは?G9の誕生 元々レインウェアを取り扱っていたミラー家ですが、1937年にジョンとアイザックの兄弟がマンチェスターにてBARACUTA(バラクータ)を設立します。BARACUTAは当初、雨の多い街マンチェスターでもスタイリッシュに着こなせるコートを主軸にしていました。 その後、ゴルフ場で快適に過ごせるジャケットがないことに目を付け、1937年にG9の原型が誕生します。翌年1938年に、裏地のタータンチェックを付けて現在まで続くG9ジャケットは完成しました。 ブランドが50年代にアメリカに進出すると、ジェームズ・ディーンやエルビス・プレスリーがハリウッド映画で着用するように。そこから人気を博してG9は日常のファッションに取り入れられるようになり、現代まで続く名作となったのです。 G9の名前の由来は諸説ありますが、Gはゴルフ、9はゴルフコースのホール数と言われています。ちなみに、G9は別名ハリントンジャケットと評されることも。1964年のドラマ「ペイトンプレイス物語」でロドニー・ハリントン役の俳優が着用したところ、同ドラマの大ファンの男性が「ハリントンジャケット」と題して店に展示したことによるとされています。 また、日本で呼ばれるスウィングトップという名称は、ファッションデザイナーの石津謙介が作った和製英語です。 G9の特徴と魅力 G9には他のジャケットにはない特徴や魅力があります。以下でそれぞれについて詳しく説明します。 男心をくすぐるギミックの数々 G9はさまざまなゴルフ用の機能を備えており、そのギミックは機能性だけでなくデザイン性という面でも男心をくすぐる魅力があります。 袖付けの仕様がラグランスリーブになっており、肩周りの可動性が高く快適です。犬の耳のように垂れていることからドッグイヤーカラーと呼ばれる襟は、チンストラップを締めれば防風機能があります。袖と裾がリブ仕様になっているのも同様です。 また、元々は綿100%だったバラクータクロスと呼ばれる生地は、高密度に織られることによってある程度の雨風であれば侵入を防いでくれます。背面にある傘のような形をしたアンブレラカットのヨークも、スムーズに雨の雫を流してくれるためのものです。 裏地のチェックで上品さも演出 機能的なデザインと対照的に、チラッと覗く裏地のチェック柄は英国らしい上品さを演出してくれます。 G9の裏地に使われているタータンチェックとは、英国貴族において代々継承される格子状の柄で、家紋のような存在です。 特にG9のチェックは、第二次世界大戦で活躍したスコットランドのラヴァト卿サイモン・クリストファー・ジョセフ・フレイザー氏から、趣味のゴルフを通じて使用許可を得たもの。その経緯からフレイザータータンと称され、現在ではBARACUTAの象徴的なデザインとして愛されています。 G9の魅力は表地の無骨さや機能美だけでなく、裏地の優雅さや伝統というところにもあるのです。 著名人に愛される渋さ G9の機能性がもたらす質実剛健な渋いスタイルは、時代を彩る著名人に愛されてきました。 いわゆるジャンパーの原型となったG9は、短丈のボックス型シルエットで大人の男性にこそ似合う良い意味での野暮ったさがあるアイテムです。それでいてさまざまなギミックや裏地がアクセントになっているので、飽きずに長く着られる魅力があります。 先述のジェームズ・ディーンやエルビス・プレスリー以外にもスティーブ・マックイーンや、日本では高倉健にも愛用されたことで有名なG9。同性が憧れる存在であった名だたる著名人が愛したことから、アイテム自体に対しても同様の憧れを抱く方は多いです。 G4も実は捨てがたい BARACUTAにはG9以外にもモデルはたくさんあり、その中でもG4は選択肢として実は捨てがたい魅力があります。 G4はドライビングジャケットとしてG9の数年後に登場しました。最も大きな違いは、屋外での防風性を備える必要がないため袖と裾のリブがない仕様になっていることです。そして、トレンドによって多少の修正は加わりますが、基本的にはG9に比べてやや着丈の長い縦長のシルエットになっています。 ドッグイヤーカラーやアンブレラカット、裏地のフレイザータータンはそのままに、中に着込んでももたつかない重ね着のしやすさが魅力です。G9のような男臭いカッコ良さを求めているわけではない方、もう少し上品に羽織れるアウターがほしい方にはG4のほうが満足できるでしょう。 おすすめ3モデルを紹介 BARACUTAのおすすめモデルを3つ紹介します。 今回は定番カラーのTANやNATURALを紹介しています。もっとも、BLACKやNAVYなど取り入れやすいカラーも用意されているので、自分の気に入ったカラーを選べばOKです。 なお、当初は綿100%だった表地は現在では撥水性や可動性を高めるためにポリエステル混紡になっていて、また違った風合いになっています。 G9 ORIGINAL G9 ORIGINALは、伝統的なギミックはそのままにシルエットをややスリムに現代化したモデルです。アームホールや身幅が細くなってフィット感があります。 元々が大柄な欧米人の体格に合わせたシルエットに設計されているので、標準的な体格の日本人が着用するにはちょうど良いサイズ感です。薄手のインナーやシャツであればもたつかずに中に着込むことができるので、綺麗に着こなしたい方や細身の方にはおすすめです。 G9 ARCHIVE AUTHENTIC FIT G9 ARCHIVE AUTHENTIC FITは、1950年代の古き良きスタイルを蘇らせたモデルです。とはいえ、ただゆとりのあるフィッティングにするのではなく、着丈や裄丈を多少長めにとってやや現代的なバランスにも整えられています。 こちらのモデルも伝統的なG9のギミックはすべて健在です。 ORIGINALだと窮屈に感じてしまう方、往年のスターが着ていたスタイルを取り入れたい方にはおすすめです。ORIGINALよりも中に厚手のインナーを着ることもできるので、汎用性が高いのも特徴です。 G4 G9と同様のギミックを持ちながら、袖と裾のリブを使っていないモデルがG4です。G4は、好みのスタイルによってはG9と同じくらい人気のあるモデルです。 G9の袖と裾のリブは防風性という意味では長所ではありますが、少しスポーティな印象を与えてしまう側面も。リブが排されたG4であれば、シャツやニットのようなアイテムとも相性良くレイヤーすることができて大人っぽく上品に着こなせます。 G9のように良い意味で男臭いスタイルを目指すのではなく、品良くサラッと身に付けたい方にはG4のほうがおすすめですよ。 BARACUTAのジャケットを着こなす渋い大人に 本記事ではG9を中心にBARACUTAのジャケットを紹介しました。 たしかにG9は一見おじさん臭くもなりがちなアイテムです。 もっとも、全体的なサイズ感を間違えずにジーンズやミリタリーパンツなどと上手に合わせれば、年齢を重ねた大人だからこそできる渋い着こなしが可能なのです。 若者と同じように流行を追うのではなく、落ち着いた大人の渋さを醸し出せるスタイルをG9とともに目指してみませんか。