大人になるとファッションから距離ができて、「ジーンズと言えばリーバイス」という結論で止まっている方も多いのではないでしょうか。
そういう方こそ、ちょっと待ってください。アメリカで生まれたジーンズですが、独自の解釈で新たな価値を見出した国があります。それがここ日本です。
本記事では日本人特有の職人魂が光るMade in Japanのブランドを厳選し、それらの代表的なジーンズのモデルを6つ紹介します。ジーンズの歴史、日本のファッションの変遷を解説し、Made in Japanブランドの魅力もお伝えするので参考にしてください。
ジーンズの選択肢はリーバイスのみというのは卒業して、身近にある日本ブランドにも目を向けてみましょう。リーバイスに負けない奥深さを知って、もっとジーンズが好きになりますよ。
ジーンズの歴史と日本のファッション
どのようにジーンズは生まれたのか、そしてそのジーンズは日本においてどのようにファッションに取り入れられてきたのか解説します。
ジーンズはゴールドラッシュの作業着
ジーンズは1800年代後半にゴールドラッシュに湧くアメリカのサンフランシスコにて、採掘労働者の作業着として生まれました。
諸説ありますが、元々フランス南部のニーム地方で作られていた綾織物「セルジュ・ドゥ・ニーム」を語源としたデニム生地は存在しました。この生地を用いたパンツが各国へと輸出されたのはイタリアのジェノヴァからであったことから、ジーンズと称されるようになったとか。
前述のゴールドラッシュの際、当時のワークパンツは作業中に擦り切れてしまう欠点がありました。仕立て屋のジェイコブ・デイヴィスがそれを補うためリベットという金具で縫製を補強したパンツを開発し、リーバイ・ストラウス社と特許出願したものがジーンズの起源となったとされています。
その後、現在でも王者であり続ける名品501モデルがリーバイスの象徴として登場しました。
アメカジは日本のもの
ジーンズを愛用するスタイルの一つ、いわゆるアメリカンカジュアル(アメカジ)というファッションスタイルは日本で確立されたものです。日本で言うアメカジのスタイルを現在のアメリカ人が実践していることはあまりありません。
始まりは1960年代にアメリカ東部の名門大学「アイビーリーグ」の学生のスタイルを参考にした、いわゆるアイビールックが流行したこと。その後、1970年代にはアメリカの反戦運動によって生まれたヒッピースタイルも日本に上陸します。
そして1980年代からは東京渋谷から渋カジが大流行。それ以降はアメリカ本土の影響からは離れて、グランジ・裏原系などついに日本独自の解釈によりさまざまなファッションスタイルが生まれてきました。
どのアメカジの派生スタイルにおいても、ジーンズは形を変えて取り入れられています。ジーンズのヴィンテージとしての価値を上げたのは日本で、むしろ本国では多くの方にとって「最新にこそ価値があり、ヴィンテージはただ古いもの」という位置付けだったりするので不思議なものです。
Made in Japanブランドの魅力
Made in Japanブランドのジーンズの魅力について以下で解説します。さまざまな魅力がありますが、今回は3つに絞ってお伝えします。
再現に対するこだわり
最大の魅力は、各年代の当時のジーンズの雰囲気を再現することに対するこだわりがすさまじいことです。
たとえば同じリーバイスの501ジーンズでも、実は年代ごとにディテールは違います。それは当時の生活様式や社会状況の影響を受けて少しずつ進化していったから。であれば最新の501が一番価値があるようにも思えますが、ヴィンテージにしかない魅力があることをMade in Japanブランドは再発見しました。
各ブランドは日本人特有の職人魂によって年代の特徴を徹底的に研究し、レプリカとして再構築することを考え出しました。当時のジーンズの風合いや色落ちを楽しめるように糸から研究し、独特の凹凸が生まれる旧式のシャトル織機によって生地を制作。織物のミミと呼ばれるセルビッジが付いたジーンズには、一から作った各年代と同じ副資材が用いられ縫製されます。
実は、「Made in Japanブランドはリーバイス自身の復刻シリーズLVCよりも再現度が高い」という逆転現象が起きているとも言われるほど。
ただ、ブランドによって「どこまで当時のディテールを再現するのか」「どう現代の暮らしに落とし込める形にするのか」の哲学は違います。そこが好みの分かれていく醍醐味でもあるので、自分の好みに合ったブランドのアイテムを選んでください。
品質の高さ
海外から言われる、完成品の質の高さも当然大きな魅力の一つです。
特に縫製技術という面では、日本の職人たちが現在も大活躍しています。当時使われていたミシンを巧みに使用したり、あえて拙い縫製を再現したりと、彼らでしかできない生産体制が稼働し続けています。
特に象徴的なのは岡山県の児島。江戸時代から繊維産業の盛んな街でしたが、終戦後にジーンズが日本に入ってくるとデニム生地の縫製に力を入れました。そこからたくさんの国産デニムブランドが生まれ、現在ではジーンズストリートなるものまで存在する縫製工場の街になっています。
同じような「職人技術が残る街」が日本にはまだいくつも残っていて、その職人たちが各ブランドの確かな品質を下支えしているのが日本ブランドの強みです
買い求めやすさ
Made in Japanのジーンズは、2つの意味で買い求めやすいという魅力があります。
1つは、日本にあるので地理的な意味で購入方法がたくさんあります。
海外の方からすると日本のジーンズの評判は有名ですが、買う方法は割高の並行輸入品やセレクトショップなどに限られています。日本に住んでいることを最大限活用して、Made in Japanジーンズを吟味し気軽に購入できるのは海外から見れば魅力なのです。
もう1つは、ヴィンテージそのものより安く買えて、それと同じくらい楽しむことができることです。
今やヴィンテージジーンズは投機目的で売買されるような状況にあり、気軽に買って実際に履いて楽しむ対象ではなくなってきています。しかし、当時を再現してくれているMade in Japanジーンズであれば、本物よりもずっとリーズナブルに手に入れて一から育てることができます。
つまり、当時の雰囲気のアイテムを身に付けられるロマンと、経年変化の楽しみが気軽に味わえるという魅力があるのです。
おすすめブランドのジーンズ6選
おすすめのMade in Japanブランドのジーンズを厳選して6つ紹介します。ブランドごとにさまざまなモデルが用意されていますが、今回ははじめの1本として手を出しやすい各ブランドのフラッグシップモデルを選びました。
SUGER CANE 「1947 MODEL」
ベトナム戦争のあった1960年代に米軍向けの衣料製造から始まった東洋エンタープライズは、取り扱うジャンルによってさまざまなブランドを手掛けています。その一つがワークウェアを中心に展開するブランド、SUGER CANE(シュガーケーン)です。
そのSUGER CANEからSTANDARD DENIM 1947 MODELを紹介します。
1947年製の実物のヴィンテージを手本にして、生地や副資材、型紙、縫製まで再現したモデルです。14.25オンスのしっかりとした厚みがあり、当時と同様にやや幅広のシルエットが男らしさを醸し出すアイテムです。
さらに、このモデルのすごいところは、このレベルのこだわりでありながら老舗ならではの企業努力で価格が抑えられているところ。「入門編で迷ったらまずコレ」と推したい名品です。
RESOULTE 「710」
80年代後半日本におけるレプリカジーンズのブームを牽引した今はなきブランドDenime(ドゥニーム)。そのデザイナーだった林 芳亨 氏が立ち上げたのがRESOULTE(リゾルト)です。「たかがジーパンや」という発言が意図するように、デイリーウェアとしてのジーンズにこだわる一方、5品番の「ジーンズのみを販売する」という徹底ぶりで情熱が注ぎ込まれているブランドです。
今回紹介するのはその5品番の中でも、ブランドを代表するモデルの710。
1970年代のリーバイス通称66モデルをベースとした細身のストレートで、キレイ目のコーデを望む大人にはぴったりのアイテムです。生地に関しても、旧式の染色や織機を使用したこだわりも備えています。
RESOLTE最大の特徴は、710をはじめとする全品番で細かなウエストとレングスが用意されていることです。これによって、通常は起きてしまう「丈詰めによるシルエットの変化」を避けることができます。
「個人個人の体型に合ったフィッティングをしてほしい」という林氏の想いが詰まっており、ご本人が実際にフィッテイングを見立ててくれるイベントが行われるほどです。
WAREHOUSE & CO. 「Lot 1001XX」
「ヴィンテージ古着の忠実な復刻」というテーマを追い続けるブランドがWAREHOUSE & CO.(ウエアハウス)です。自社が所有するヴィンテージアイテムを徹底的に研究・考察し、当時の風合いを糸1本から再現するこだわりはMade in Japanブランドでも随一。
今回はWAREHOUSEのフラッグシップモデルであるLot 1001XXをおすすめします。
1930年代の実際のデニムバナーを解体し、糸から再解析することで当時のムラ糸そのものを制作。旧式の力織機で織った生地は、実物のリーバイスに負けず劣らず最高の経年変化を見せてくれます。形は腰回りにややゆとりがありつつ裾にかけて少しテーパードする、現代のファッションに理想的なシルエットを実現しています。
ありとあらゆる年代のアイテムを、当時の素材や形から野暮ったさも含めて完全再現することに定評のあるWAREHOUSE。その中では、履きやすい形に少し現代化されたむしろ珍しいモデルです。当時の雰囲気は味わいたいけれど、他のアイテムとも馴染みやすいジーンズがほしいという方に推薦したい名作ですよ。
STUDIO D'ARTISAN 「SD-101」
STUDIO D’ARTISAN(ステュディオ・ダ・ルチザン)は、旧式の力織機で織られたセルビッジの付いた生地で世界で初めてヴィンテージジーンズのレプリカを制作しました。元々はフランスで学んだデザイナーが始めたM'ARIJUAN(マリジュアン)というセレクトショップのプライベートブランドとして誕生。ヴィンテージの忠実な再現ではなく、最大限の敬意を払いながら独自の解釈で新しい価値を創造するというコンセプトを持っています。
ここではレプリカとしてのスタンダードとして確固たる地位を築いたSD-100シリーズから、レギュラーストレートのSD-101を紹介します。
旧式の力織機で織り上げられた生地は15オンスと分厚く、色落ちには時間がかかる反面ヒゲやアタリがしっかり表れるという味わいがあります。丈夫でかつ合わせやすいシルエットでありながらも、色落ちはヴィンテージさながらの変化を見せるアイテム。「1本目から本物を選びたい」と考える方にはぜひ候補に入れてほしいモデルです。
ちなみに、マスコットキャラの豚のインディとクリッパーが革パッチに描かれているという隠れたチャーミングさもありますよ。
FULL COUNT 1101W
FULLCOUNT(フルカウント)は、生産効率が優先され淘汰されていった機器や生地、副資材を再構築することから始めて、1995年にようやく納得のセルビッジジーンズを完成させました。それ以降、工場の職人と力を合わせながら、さまざまな定番モデルを品質を落とさずに作り続けているブランドです。
FULLCOUNTのこだわりは何といっても履き心地。
今回紹介する1101W(Wはウォッシュの意味)も例外ではなく、柔らかな履き心地を実現するジンバブエコットンを使用して「家でも履き続けたいジーンズ」を完成させています。1101シリーズのシルエットはヴィンテージの香りは残しつつも、太すぎず軽くテーパードしたもの。
「ジーンズのゴワゴワ感は苦手だけど、デニム特有の風合いや色落ちは好き」という方におすすめのアイテムです。家でもリラックスして履ける快適さなので、ガンガン履いて自分だけの経年変化を楽しんでください。
TCB JEANS 「50’s」
TCB JEANS(ティーシービージーンズ)は他社製品のOEMを担う縫製工場からスタートし、その工場が発表するオリジナルという形で誕生しました。デニムの聖地である岡山県の児島にて、1Fに見学できる縫製の現場、2Fにショップ兼ショールームという「職人とお客さんをつなぐ」空間を構えています。
ここで紹介する50’sは、オリジナルを作るきっかけとなったモデル。
名前の通り1950年代リーバイス501xxの紙パッチのモデルを再現しようとしたもので、ヴィンテージを参考にパターンや縫製糸の番手や色までこだわる作り込み。股上は深く裾にかけてややテーパードするバランスの取れたシルエットなので、履く人の年代・体型を選びません。
縫製工場としての背景から、他ブランドに比べて価格が抑えられている点もTCB JEANSの売りの一つ。「初心者だけど、本物を気軽に味わいたい」という方に納得のコスパであることは間違いありません。
世界に誇るJapanブランドのジーンズをぜひ
本記事では、厳選したMade in Japanのブランドから6つのジーンズを紹介しました。
ヴィンテージから影響を受けてジーンズを制作する上で、どの部分が好きで何を重視するか、どこまでこだわりつつどこまで価格を抑えるか。これらの点はブランドによって千差万別ですが、どれも正解でそれぞれの味わいがあります。
好みによってブランドを選んで試してみて、もし気になるものが他に出てくれば複数のブランドや色々なモデルを楽しんでみてください。ジーンズの気軽さと奥深さの両方を知って、もっとファッションが楽しめるようになりますよ。
「ボトムスの種類ってたくさんあるけど、使い勝手の良いボトムスって何だろう」と思っている方は多いのではないでしょうか。オンオフどちらでも使えるボトムスがあると助かりますよね。
そんな疑問を持っている方への一つの回答として、本記事ではチノパンをおすすめ!チノパンの魅力や選ぶポイントを解説した上で、厳選した4つのモデルを紹介します。
オフはもちろんオフィスカジュアルにも使える魅力的なチノパンを手に入れて、日々のファッションに彩りを与えてくださいね。
チノパンの歴史と魅力
チノパンの歴史と魅力について解説します。チノパンはどのようにして生まれたのか、どういうところに魅力があるのか参考にしてくださいね。
チノパンの起源はミリタリー
チノパンの起源は実はミリタリーであることはご存知でしたか。19世紀イギリス陸軍がインド滞在中に、あまりに目立つ白いパンツを現地の泥水やカレー粉で染めたことから始まります。その後、中国に輸出されたそのパンツをフィリピン駐在中のアメリカ軍が買い付けた際に「China→チノ」と呼ぶようになったと言われています。
一定の完成を迎えたのは1941年、アメリカ軍が戦闘服に採用したM-41トラウザーズで通称「41(ヨンイチ)カーキ」と呼ばれるモデルです。その後は、各年代のモデルがファッションアイテムとしても度々トレースされています。
オフィスカジュアルでもOK
チノパンの最大の魅力は、プライベートはもちろんオフィスカジュアルでも許容される落ち着いた雰囲気を持っていることです。
チノパンはチノクロスと呼ばれる厚手の綿の綾織りの生地でできており、戦闘服で使われる通り丈夫で耐久性があります。また、高密度に織られた生地は上品な光沢を放ち、経年変化によりその風合いがやや落ち着いた状態でもオフィスで許容されるルックスです。
ちなみに、チノクロスの中でも「ウエストポイント(ウエポン」)と呼ばれる生地は、さらに上品な光沢感を持ちます。ウエストポイント士官学校という陸軍将校のエリート養成機関で用いられたことがその名の由来。通常のチノクロスが「左綾・単糸」なのに対し、ウエポンは「右綾・双糸」でより高密度に織られていることから光沢の差が生まれます。
選ぶ上で大切なこと
チノパンを選ぶ上で大切なことが2つあります。以下でそれぞれについて解説するので参考にしてくださいね。
まずはカーキ系の定番カラーを
良いチノパンを1本買おうと考えるなら、まずはじめは定番カラーのカーキ系を選ぶのが大切です。
それは、チノパンの上品さや落ち着きという魅力が特に表れるのは定番カラーである、というのが理由です。カーキやベージュといったアースカラーは相手に穏やかな印象を与える面もあるからこそ、徐々にオフィスなどでも許されてきたと思います。
また実用的な話で言えば、他のカラーについてはチノパンで選ばなくても他の種類のボトムスで魅力のあるものがあります。たとえば、オリーブ系のボトムスではベイカーパンツなどで選んで、ワードローブのバランスを整えるほうがよいでしょう。
目指すスタイルに応じたシルエットのものを
最終的に目指したいスタイルを考えたときに、それに必要なシルエットのチノパンを選ぶこともとても大切です。
各ブランドのチノパンにはヴィンテージライクなものから現代的に変更されたものまであり、そのコンセプトの違いからシルエットがまるで違います。ミリタリー実物のような野暮ったさをあえて求めている方は極太のものを、ビジネスでも着用可能なキレイ目に履きたい方はジャストフィットのものを選びましょう。
シルエットによってもコーデ全体に与える効果は全く違うので、どのシーンで使うかやどんなスタイルで履きたいかを事前に考えて購入してください。
また、チノパンは「理想のスタイルはあるけれど、年齢的に体型に自信がなくなってきた自分でも似合うものがあるかな」という心配がありません。腰回りにゆとりがあるものなど、さまざまな体型に合うモデルが存在するので、きっと似合うものが見つかるはずです。
おすすめのチノパン4選
おすすめのチノパンを4つ、それぞれ違うブランドから紹介します。求めるスタイルに合いそうなものを選んでくださいね。
BUZZ RICKSON’S 「ORIGINAL SPEC. CHINOS」
1960年代ベトナム戦争時に米軍向けの衣料製造から始まった東洋エンタープライズ。そのミリタリージャンルのアイテムを扱うブランドがBUZZ RICKSON’S(バズリクソンズ)です。
そのBUZZ RICKSON’SからORIGINAL SPEC. CHINOSをおすすめします。
ヴィンテージから再現した強度のあるチノクロスを使い、一方でディテールはさまざまな年代の特徴を取り入れたモデル。1940年代の両玉縁ポケットや1960年代のジッパーフライを採用し、当時の渡り幅よりも細身に仕上げられています。
ヴィンテージ各年代の良い部分を感じつつも現代的なコーデにも合わせやすい、太からず細からずのバランスがすばらしい定番アイテムです。
PHERROW’S 「P41M U.S.ARMY TROUSERS」
「流行に左右されないモノ創り」「10年、20年後にヴィンテージと呼ばれるモノ創り」をコンセプトに、新たなライフスタイルを提案するアメカジブランドPHERROW'S(フェローズ)。
今回紹介するのは、P41M U.S.ARMY TROUSERSです。アメリカ軍の41カーキをデザインベースに、シルエットを現代的に修正し履きやすくしています。もっとも、高密度のチノクロスやメタルボタンのボタンフライ、両玉縁で付けられたコインポケットとバックポケット、サイドの2本針の縫製というディテールは採用。
「しっかりとした肉厚の生地で、程よい太さ」のチノパンが好みの方にはぜひおすすめしたいモデルです。
WAREHOUSE & CO. 「Lot 1082 CHINOES」
WAREHOUSE & CO.(ウエアハウス)は、流行に流されず「ヴィンテージ古着の忠実な復刻」というテーマを追い求めているブランドです。実際に所有するヴィンテージアイテムを糸の一本から徹底的に研究することで当時の無骨さや風合いを再現しつつ、現代でも着用できるようにサイズアレンジを加えています。
そんなWAREHOUSE & CO.から、Lot 1082 CHINOESをおすすめします。
より光沢感のあるウエポン生地を旧式の力織機で織っているのでセルビッジが付くモデルです。経糸、緯糸ともに硫化染めしたコーマ糸を使用しているので堅牢度も高く、深みのある表情をみせてくれるチノパンです。もちろん両玉縁のポケットなどクラシックなディテールも押さえてくれています。
股上や腰回りがフィットするようにパターンが改良されていながらも程よい太さも残しているので、やや無骨な雰囲気を楽しみたい方にはおすすめですよ。
BARNSTORMER 「1001P ノープリーツ ドレスチノ」
BARNSTORMER(バーンストーマー)はアイビーブームの1977年に創業し、アメリカントラッドのスタイルに合う純国産のチノパンを製造していました。2000年前後に一度休止するも、丁寧に縫製された大人が履けるカジュアルパンツを製造するブランドとして2014年より見事に復活しています。
ここで紹介する「1001P ノープリーツ ドレスチノ」は、最もオーソドックスな定番のモデルです。スラックス仕立てで縫い代が多くカーブがつくように作られているため、程よいゆとりと美しい体へのフィット感を実現しています。糸のよりを弱くしたことにより、厚手であるにもかかわらずしなやかな風合いがあるのも魅力です。
起源となるミリタリーパンツとは違って、センタープレスに入った細身のスラックスタイプのためスマートに着こなしたい人に選んでほしいモデル。ビジネスでのジャケパンスタイルにも上品に決まりますよ。
目的のシーンやスタイルに合ったモデルを選ぼう
本記事では、使い勝手の良いチノパンのおすすめを4つ紹介しました。
まずは、自分好みのスタイルはどんなものか確認しましょう。どの年代のヴィンテージのどのディテールを組み込むモデルかは、デザインとして好みが分かれるところ。またシルエットも、どこまで現代的なものに修正しているかによって作れるスタイルは変わってきます。好みを確認できたら、「プライベートのみ」か「ビジネスでも使いたい」のかを想像して、目的に合ったモデルを選んでください。
悩んで選んだチノパンは、きっとあなたのコーデの幅を広げてくれる相棒になってくれるはずですよ。
「着たいトップスは決まったけど、それに合うボトムスがない」「お気に入りのトップスばかり着ているので、コーデにアクセントがほしい」
プライベートの時間はオシャレしたいけれど、こんなふうに悩んでいる大人も多いのではないでしょうか。ついつい同じようなボトムスばかり買ってしまって、いざ出かけるときにコーデに困ってしまうこともありますよね。
本記事では、これだけ揃えておけばいろいろな種類のトップスに合わせられる、ワードローブに入れておきたいボトムス5つを紹介します。おすすめするボトムスの特徴や、実際に選ぶ上で気を付けることも解説するので参考にしてください。
組み合わせに悩むことからもう解放されて、本来のコーディネイトのワクワクを味わいましょう。
ワードローブに入れたいボトムスの特徴
大人がいろいろなコーデを楽しみたいなら、ぜひワードローブに入れておきたいボトムスの種類があります。それらおすすめのボトムスには特徴があるので以下で紹介します。
定番として認知されていること
おすすめするすべてのボトムスに共通する特徴は、誕生の歴史はさまざまでも現在では定番として認知されていることです。
伝統と呼ぶのは大げさですが、定番化するものには「定番化するだけの魅力があり、それを認められてきた歴史」があります。種類によってその魅力はデザイン性・機能性などさまざまですが、流行に左右されることなく今後もその魅力を発揮してくれるはずです。
前衛的なギミックを持ったボトムスもたしかに素敵です。ただ、優先順位としてまずは定番として認知されるにいたった種類を所有するのをおすすめします。実際に履いてみると、なぜ人気なのか再確認するはずですよ。
固有のギミックがあること
そのボトムス固有のギミックがあることも特徴の一つです。
たとえば、ステッチや補強の方法、ポケットの数や付いている場所と付け方など、ボトムスによってギミックは違います。ギミックが違えばシルエットの違いにつながり、デザイン上のアクセントにもなります。
ギミックの違うボトムスを揃えておけば、トップスとの組み合わせに応じて足し算引き算をしてコーデを完成させられますよ。
経年変化を楽しめること
筆者が強く推したいボトムスは、履いていくことで経年変化を楽しめるという特徴を持ったものです。
ボトムスの種類によっては、素材や生地の編み方はそれぞれ。履き込むことによって生まれる「色合いや陰影、生地の質感」の経年変化は違います。それぞれ違った味わいのあるアイテムへと変化を遂げてくれれば、コーデに奥行きをもたらしてくれることは間違いありません。
ボトムスを揃えるなら、それぞれ違った経年変化が見込める種類を選びましょう。違う表情を見せてくれることで、飽きずに大切に履き続けようと思えるはずです。
選ぶ上で気を付けてほしいこと
各種ボトムスを選ぶ上で気を付けたいことが3点あります。以下でそれらについて詳しく説明します。
まずは定番カラーを選ぶ
もちろん自分好みのカラーや限定カラーなども魅力はありますが、まずはボトムスごとの定番カラーを選ぶのがおすすめです。
たとえばデニムパンツを買うのであれば、まずはベーシックな濃紺のものを選びましょう。たしかにフェードしたアイスブルーのデニムやブラックデニムも特有の魅力があるのですが、はじめは濃紺のワンウォッシュくらいのジーンズがおすすめ。トップスを選ばない落ち着いた濃紺色それ自体も、デニムをおすすめする理由の一つだからです。
定番カラー自体がボトムスの特徴の一つである、というのは他のボトムスでも同様です。ベーシックなコーデを楽しんでいきたいなら、まずはボトムスの定番カラーを押さえておくと使い回しに有効ですよ。
合わせ方を想像してサイズを選ぶ
そのボトムスをどのようにコーデに落とし込むか、他のアイテムとの合わせ方を想像してサイズを選ぶように気を付けてください。
大人男性がフィッティングを選ぶ場合は、体型に合ったジャストサイズが基本です。
ただ、ミリタリーパンツなどで「あえてダボっとしたシルエットを楽しむ」ために少しサイズアップして履くのも選択肢の一つ。手持ちのトップスとの組み合わせを思い浮かべながら、どんなシルエットのものがほしいのか自問自答するのがいいですよ。
自分の目指すスタイルにはジャストサイズかワンサイズアップどちらが良いか見極めて、後悔しないアイテム選びをしてくださいね。
気に入ったブランドのものを選ぶ
いろいろなブランドのモデルを比べてみて、自分が本当に気に入ったと思えるものを選択することを強くおすすめします。
ボトムスの種類もさまざまですが、同じ種類のボトムスでも販売しているブランドもさまざま。ブランドごとにデザインや生地に対する解釈や取り入れ方は微妙に違います。
たとえばシルエットは、起源となった当時のパンツをそのままを再現しているものや、ギミックは採用しつつもテーパードさせるなど現代的に修正しているものなどがあります。
「ブランドイメージや見た目、履き心地」など、さまざまある要素から自分が気に入ったブランドのモデルを選びましょう。履き続けて経年変化による魅力を感じていくことも大切なので、そもそも自分が長く履きたいと思えるようなモデルでないと意味がないからです。
世間の評価を参考にしつつも、最後は自分が気に入ったアイテムかをしっかり見極めてくださいね。
ワードローブに入れたいボトムス5つ
大人男性がコーデを楽しむ上でワードローブに入れたい王道のボトムスを5つ紹介します。以下でボトムスごとの簡単な説明と著名なブランドのモデルを紹介するので、ぜひ購入の参考にしてください。
デニムパンツ
今や最もポピュラーなカジュアルパンツと言っていいデニムパンツ(いわゆるジーンズ)、これはマストで持っておきましょう。経年変化という観点からも王道中の王道です。
デニムという生地は17世紀にフランス南部のニーム地方で生まれた「セルジュドゥニーム」がルーツ。その後19世紀後半、ゴールドラッシュに湧くサンフランシスコで、採掘者向けにリーバイ・ストラウスが作ったワークパンツがジーンズです。独特の紺色は、元々ヘビや虫除けのために天然インディゴで染められたことによります。
今回はジーンズの産みの親LEVI'S(リーバイス)のヴィンテージライン「LVC」から、「1947 501 ジーンズ ORGANIC リジッド」モデルを紹介します。
ジーンズが作業用からファッションに取り入れられる過渡期の1947年当時のディテールを再現。無骨な側面を残しながら、現代のファッションにも取り入れやすい形になったモデルです。
チノパンツ
オフィスカジュアルとしても許容されるチノパンツ(チノパン)は、実は元はミリタリーで使用されていました。定番のカーキやベージュ系の色味のものを1本持っておくと重宝します。
基本は綿による綾織りの厚手の生地「チノクロス」はとても丈夫で、カーキ系の色味は落ち着いた印象を与えます。大人の男性がオンでもオフでも履けて、スラックスの代わりにカジュアルダウンするにはちょうどいいパンツです。
今回は、日本の東洋エンタープライズがミリタリーを中心に展開する本物志向のブランドBUZZ RICKSONS(バズリクソンズ)から、ミリタリーチノ オリジナルスペックを紹介します。当時のものはあまりにも極太のシルエットであったことから、オリジナルでもう少し細くアップデートして普段使いしやすくしたパンツになっています。
カーゴパンツ
国や年代で種類もさまざまなミリタリーパンツであるカーゴパンツ。トップスとの対比によるコーデのアクセントとしてぜひ所有しておきたいアイテムです。
カーゴパンツは貨物船(カーゴ)の作業員向けのパンツであったものが、その後各国の軍隊で採用されるに至りました。最大の特徴は、膝上のサイドに大きなポケットが備わっていること。モデルによって取付けられ方は違いますが、そのポケットによってパンツ全体のシルエットは独特な立体感を持ちます。
こちらで紹介するのは、バズリクソンズが再現したM-1951 フィールド トラウザーズ。アメリカ軍が1951年の朝鮮戦争時に採用した野外用戦闘服のパンツです。その採用年から単にM51パンツと呼ばれるアイテムで、極太の渡り幅に立体的なサイドポケットというシルエットが現代のファッションにスパイスを加えてくれます。
ベイカーパンツ
ここ数年で人気が上がったミリタリーパンツの一つ、ベイカーパンツもワードローブにあると助かる存在です。
正式名称はユーティリティパンツないしはファティーグパンツ。米軍で採用された作業用のパンツであり、ミリタリーであるとともにワークの要素も強いボトムスです。ベイカーと呼ばれるに至った由来は、パン職人が履いていたからなど諸説あります。
デザインの特徴は、正面から見えるL字形のポケット。カーゴパンツのようにサイドポケットがあるわけでも、渡り幅が極太であるわけでもありません。チノパンと同様に、ちょうどいい太さのリラックスシルエットで、良い意味でクセがないのでいろいろなトップスと合わせることができます。
今回紹介するのは、ミリタリーやワークのアイテムを独自の解釈で現代化する日本ブランドorSlow(オアスロウ)より「5002 US ARMY FATIGUE PANTS」。独特なムラ感を表現したリバースサテン(バックサテン)生地が抜群で、最高の経年変化で持ち主を楽しませてくれます。
ワークパンツ(綿ポリ混紡)
案外カジュアルになりすぎず使えるのが、綿ポリ混紡素材のワークパンツ。この種類のボトムスは大人コーデでも使えます。
綿35%とポリエステル65%の比率で混紡された綾織りの生地はTCツイルと呼ばれています。化学繊維が混ざっていることで速乾性や耐久性がありシワになりにくいという便利さや、綿とは違った光沢感・風合いがあることがこの生地の魅力です。
作業用ということで安価に制作できるシンプルな見た目のものが多いので、相手のトップスを選ばず冬以外の3シーズンであれば着回すことができます。
紹介するのは、大定番であるDickie’s(ディッキーズ)874というモデル。TCツイル生地を使ったストレートシルエットはちょうど良い太さで、センタープレスが入る仕様もカジュアルすぎる印象に待ったをかけてくれます。
5つのボトムスをコーデによって使い分けよう
本記事では、大人がワードローブに入れておきたいボトムスを5種類紹介しました。
それぞれのボトムスにはそれぞれの魅力があります。固有のギミックがありシルエットがおもしろいもの、経年変化を楽しめる生地のもの、カジュアルすぎず使えるもの。シーンや気分に合わせて履けるものを用意すれば、コーデすることがより楽しくなるはずです。
流行り廃りのない定番ボトムスで、肩の力が抜けた大人のファッションライフを謳歌してくださいね。
創業から100年を超えるアメリカのワークウェアブランド「ディッキーズ(Dickies)」。数あるアイテムの中でも“定番中の定番”として半世紀以上愛され続けているのが、「874ワークパンツ」です。
今回はアパレル販売員歴10年の筆者が、874ワークパンツの中から特に大人の男性におすすめのカラーを5つご紹介します。またディッキーズの歴史や魅力、サイズの選び方なども解説していますので、ぜひ参考にしてみてください!
ディッキーズの歴史と874ワークパンツの魅力
ディッキーズが誕生したのは今から100年以上前の1922年。労働者のための服を仕立てるブランドとして、いとこ同士であるC.N.ウィリアムソンとE.E.ディッキーの2人が創業しました。
2人は全米各地のさまざまな職種の仕事現場を巡り、それぞれのユニフォームの特性を調査。そしてその知見を生かしながら、労働者のニーズに合わせたワークウェアを展開していきました。
1923年には、874ワークパンツの原型となる「カーキパンツ」の生産をスタート。その後、カーキパンツと同素材で作られたトップスとのセットアップスタイルが、アメリカ全土へ浸透していきました。
第二次世界大戦後の1950年代、ディッキーズの本社があるテキサス州の石油労働者向けにカーキのワークウェアを発売したところ、大ヒットを飛ばします。そして1967年、ディッキーズはカーキパンツをさらに進化させた「874ワークパンツ」を発表しました。
874ワークパンツの人気が不動のものになったのは1990年代。アスファルトで擦れても破れにくいうえに手頃な価格帯であることから、アメリカ西海岸のスケーターたちにも支持され、当時盛り上がりをみせていたストリートカルチャーとともに、世界中に広まっていきました。
“FIT YOU, FIT YOUR JOB(あなたにもあなたの仕事にもフィットする)”
874ワークパンツの最大の魅力はなんといっても「優れた耐久性」です。そしてその耐久性を生み出しているのが「T/Cツイル」と呼ばれる素材。T/Cツイルはポリエステル65%・コットン35%の黄金比で混紡されたツイル(綾織り)素材で、擦れに強く破れにくいという特徴があります。
さらに、その生地には撥水・防汚・型崩れ防止などの効果がある「スコッチガード」という加工が施されており、シワや汚れがつきにくいという実用性も備わっています。また、874ワークパンツはゆとりのあるストレートシルエット、かつサイズやカラーの展開が豊富なため、自分の好み・体型にぴったりと合う一本が見つけられるのも魅力の一つです。
丈夫でシワや汚れがつきにくく、どんな人にも合う。874ワークパンツはまさにディッキーズのポリシー、"FIT YOU, FIT YOUR JOB(あなたにもあなたの仕事にもフィットする)"が体現されたアイテムといえます。
ジャストorルーズ?874ワークパンツのサイズ選びのポイント
874ワークパンツを選ぶ際のポイントは大きく3つです。それぞれを詳しく解説します。
ポイント1. ジャストで穿くかルーズに穿くか
874ワークパンツのサイズ選びは、自分がどのように着回したいかを決めることが最初のステップ。
874ワークパンツにはセンタープレスが施されているので、スラックス感覚できれいめに穿くこともできれば、オーバーサイズを選んでロールアップし、カジュアルな装いを楽しむこともできます。ジャストで穿くかルーズで穿くかによって、まったく異なる印象に見えるのです。
ルーズに穿くのももちろん素敵ですが、大人の男性におすすめなのはジャストサイズ、もしくは1サイズ(2inch)アップ。さらにレングスは少し短めのアンクル丈(くるぶし丈)にすると、カジュアルな装いでも大人らしさを演出できます。
ポイント2. サイズ表記は“ウエスト×レングス”
ディッキーズのパンツのサイズは、「30×32」のように「数字×数字」で表記されています。これは「ウエスト×レングス(股下)」を表したものです。
またアメリカのブランドのため、ウエストもレングスもinch(インチ)表記になっています。
以下はディッキーズの公式サイトに表示されているサイズを表にしたものです。もし当てはまるサイズがない場合は、1inch=2.54cmを目安にしてみてください。
サイズ(ウエスト×レングス)ウエスト股上股下わたり幅すそ幅28×30742875272228×32742879312230×30783075292230×32762881322232×30823075312332×3282-843081332334×30883275332334×328832813522.536×30903275332436×329032793623
ポイント3. 個体差がある前提で選ぶ
874ワークパンツのサイズを選ぶ際に、一つ注意していただきたいことがあります。それは「個体差が生じる可能性があること」です。
今回の記事を書くにあたってさまざまなオンラインショップのサイズ表を見比べたのですが、それぞれの数値に数cmの差がありました。よってサイズに迷ったときは、大きいサイズの方を選ぶことをおすすめします。
またAmazonなど返品・交換が可能なサイトで購入するとより安心でしょう。
ディッキーズの874ワークパンツ5選
ここからは874ワークパンツの豊富なカラーバリエーションの中から、特に大人の男性におすすめのカラーを5つご紹介します。
1. カーキ
874ワークパンツを代表するカラーであり、一番人気でもある「カーキ」。前述したようなディッキーズのルーツを知ると、1本目に選びたくなりますよね。
カーキと聞くと、くすんだグリーン系の色味を連想する方も多いのではないでしょうか。本来カーキ(khaki)とは「土ぼこり」を意味する言葉で、黄色味をおびた淡い茶系色のことをいいます。もともと軍服から生まれた色なので、ファッションにおいては迷彩柄に使われるようなグリーン系のカラーも含まれるようになったといわれています。
「ベージュ」と言った方が分かりやすいかもしれませんが、874ワークパンツには「デザートサンド」という同系色のカラーもあるのでご注意ください。
2. ブラック
言わずと知れた万能カラーのブラック。モード系やジャケパンスタイル(セットアップではないテーラードジャケットとパンツを組み合わせるスタイル)など、幅広いコーデにマッチしてくれます。
874ワークパンツは表面にコーティングが施されているため、購入したてはパリッとした履き心地です。しかし、穿いて洗ってを繰り返すと次第に自分の肌になじんでいきます。デニムやレザーの経年変化を楽しむように、“自分だけの一本”を育てられるのも、874ワークパンツの魅力の一つです。
3. ダークブラウン
ダークブラウンは温かみがあり、秋冬におすすめのカラー。ベージュなどの同系色と合わせると、より柔らかい印象に仕上がります。重たくなりすぎないシックなカラーは大人の男性にぴったりです。
4. チャコール
チャコール(charcoal)とは「炭」「木炭」という意味で、ファッションにおいては炭のような暗めのグレー色のことを指します。スーツにもよく使われるカラーなので、まさに“スラックス感覚”で着回せるところがおすすめポイント。ホワイトやブラックなどはっきりとしたカラーと好相性です。
5. ハンターグリーン
最後はモノトーンコーデの差し色におすすめしたい「ハンターグリーン」。狩猟服に用いられていたことから名付けられた深みのあるグリーンは、色味の主張が少なく、普段ベーシックカラーを着ることが多い方にも取り入れやすいカラーです。1本目はベーシックカラー、2本目は色ものを取り入れてみてはいかがでしょうか。
874ワークパンツは“大定番”だからこそいい
今回はディッキーズの874ワークパンツをご紹介しました。定番中の定番アイテムには、長く愛され続けている理由があります。まだ874ワークパンツを穿いたことがないという方は、ぜひ豊富なバリエーションの中から自分にフィットする1本を探してみてください!
アウトドアシーンのみならず、タウンユースとしても多くの大人の男性を虜にしているパタゴニアのアイテムたち。
今回は、カジュアルをもっと自由に楽しみたい大人の男性に向けて、パタゴニアのバギーズショートパンツをご紹介します。
水陸両用のバギーズパンツを身にまとい、そのまま大自然に飛び込んで、大人遊びを真剣に楽しみましょう。
パタゴニアのバギーズパンツとは
1982年に誕生して以来40年にも渡って、パタゴニアを代表するアイテムとして愛用されてきたバギーズシリーズ。水陸両用パンツとしてアウトドアシーンやタウンユースでも大人カジュアルの定番として大活躍のアイテムです。
クラシカルながらシンプルで新しさを感じさせるデザイン。無駄を排除することで、ファッション性、機能性ともに洗練されたアイテムとなっています。カラーバリエーションが豊富なため、お気に入りの一着を見つけやすいのもメリットです。
素材には、リサイクル・ナイロン100%、またはヘンプ/オーガニックコットン混紡を使用。速乾性や耐久性撥水に優れ、海や川遊びの相棒として欠かせないパンツになっています。「大人カジュアルを自由に」バギーズパンツは、新しいカジュアルスタイルを提案してくれるアイテムです。
おすすめのバギーズパンツ3選
おすすめのバギーズパンツをご紹介します。それぞれカラーバリエーションが豊富なため、お気に入りの1着選びを楽しんでみてください。
メンズ・バギーズ・ショーツ 5インチ
バギーズショーツの中で最も丈が短い5インチサイズのショーツ。動きやすさ重視の超アクティブ派の男性にピッタリのアイテムです。
リサイクル・ナイロン100%素材を使用し、速乾性に優れているので、着たまま海や川にドボンもOK。帰りの移動を気にせずに思いっきり遊べます。
丈が短い分、タウンユースにおいて攻めのコーディネートになりますが、カジュアルスタイルに振り切れば問題なし。”カジュアルをもっと自由に”を体現するアイテムです。
XSSMLXLXXLウエスト333639434751股上292930323435股下131313131313
仕上がり寸法(平置き/cm)※実製品の寸法と若干異なる場合があります※日本で販売しないサイズを掲載している場合があります
メンズ・バギーズ・ロング 7インチ
バギーズ・ロング7インチは、5インチの短さに抵抗があり、膝上に近い丈が好みの方におすすめのアイテムです。
「ちょうどいい」長さの丈が、アウトドアシーンはもちろん日常のタウンユースでも重宝します。水の中でも陸上でも、大都会でも大自然の中でも、この1着でどこにいてもカッコよく決まるパンツです。
バギーズ・ロング7インチは、大人らしさを保ちつつ、遊びもおしゃれも全力で楽しむ男性必須のアイテム。リサイクル・ナイロン100%素材を使用しており、さらりとした履き心地をご体感ください。
XSSMLXLXXLウエスト333639434751股上292930323435股下181818181818
仕上がり寸法(平置き/cm)※実製品の寸法と若干異なる場合があります※日本で販売しないサイズを掲載している場合があります
メンズ・バギーズ・ライツ 6.5インチ
柔らかな素材でできており、しなやかな履き心地がクセになるバギーズライツパンツ。
丈の長さは、6.5インチで定番の5インチと7インチの間のサイズになります。バギーズライツの最大の特徴は軽さです。その他のアイテムの約3分の2の重さに抑えられています。
アウトドアブランドのショートパンツらしく、軽量ながら丈夫なパンツとして、頼もしさも感じさせます。スッキリとしたシルエットのため、きれいめカジュアルスタイルに推したい一足です。
本体を収納できるパッカブル仕様なので、アウトドアシーンで思いっきり遊んだ後は、コンパクトに収納して持ち帰りも可能。機能性にもこだわったショーツをぜひお試しください。
SMLXLXXLウエスト363942.54655股上31.533.5343637股下161616.516.516.5
仕上がり寸法(平置き/cm)※実製品の寸法と若干異なる場合があります※日本で販売しないサイズを掲載している場合があります
【番外編】バギーズ ジャケット
バギーズシリーズからショーツだけではなく、ジャケットもリリースされています。
季節の変わり目の風や小雨に対するプロテクションを提供し、時代を超えて支持される、きれいめカジュアルのジャケットです。折り襟が都会的な印象を与え、シンプルなデザインでスタイリッシュに決められる一着。
DWR(耐久性撥水)加工を施した2層構造の平織りのナイロンを採用。伸縮性を備えた袖口と裾が冷気と水分の浸入を防止します。ジッパー式ハンドウォーマーポケットが2つ付いているところもパタゴニア”らしさ”がつまっています。
XSSMLXLXXL身幅545760656973 後着丈 676972747779 裄丈868991949799
仕上がり寸法(平置き/cm)※実製品の寸法と若干異なる場合があります※日本で販売しないサイズを掲載している場合があります
バギーズパンツをカッコよく履きこなすポイント
シンプルなデザインのため、さまざまなコーディネートに合わせやすいバギーズパンツ。さらにカッコよく履きこなすコツをご紹介します。
スポーティーなスタイルに合わせる
バギーズパンツは、スポーティーなスタイルとの相性抜群です。Tシャツとスニーカーに合わせる定番スタイルから薄手のシャツを1枚羽織って爽やかなスタイルを演出するもよし。
5インチの短めの丈とゆったりとした無地のTシャツを組み合わせることで、ナチュラルでラフ感のあるスタイルの完成です。耐久性や伸縮性など機能性に優れたバギーズパンツをスポーティーなスタイルに取り入れてみてください。
カラーリングで遊ぶ
カラーバリエーションの豊富なバギーズパンツ。色遊びができる反面、色選びで悩むこともあるかもしれません。
一般的には、同系色で合わせることも多いですが「カジュアルをもっと自由に」楽しみたい男性はあえて崩すのもポイントです。パンツがアクセントになるように、白系のトップスに赤や黄色のパンツを試すのもグッド。
シンプルで洗練されたデザインのため、あらゆるカラーリングに合わせやすいメリットを活用しましょう。
スタイリッシュに決める
きれいなシルエットのバギーズパンツは、スタイリッシュなコーディネートにも合わせられます。
発売された1982年から今日に至るまでアップデートを繰り返し、洗練されたデザインが上品さを演出してくれます。単なるショートパンツの枠を超え、きれいめカジュアルに欠かせないパンツとしてファッション愛好家のマストアイテムに。
落ち着いたカラーリングのコーディネートに、細身のバギーズパンツを合わせることでスタイリッシュに決められます。カラーリングとサイジングに注意してスタイリッシュなコーディネートを楽しんでみてください。
ライターから一言
バギーズパンツは、全力で遊びたいアウトドアシーンでもおしゃれに決めたいタウンユースでも外せないマストアイテムです。
カジュアルスタイルは、もっと自由でいいのではないか。その問いに対する答えがバギーズパンツでした。履けば履くほどカッコよさが滲み出てくるパタゴニアのバギーズパンツをぜひチェックしてみてください。
暑い夏の時期に大活躍のショートパンツ。多くのブランドがスタイリッシュで機能性に優れたアイテムをリリースしています。
そんな中で、他のブランドを一歩リードしているのが「GRAMICCI(グラミチ)」。ショートパンツの定番アイテムとしてアウトドアシーンだけではなく、タウンユースとしても根強い人気を誇ります。
高い機能性に加えて、シンプルかつ洗礼されたデザインは、あらゆるシーンで重宝できるアイテムです。今回は、グラミチのおすすめショートパンツ5選をご紹介します。短パンをカッコよく履きこなすためのポイントも説明していますので、ぜひ参考にしてみてください。
グラミチとは
グラミチは、1982年にロッククライマーの聖地である、アメリカ・カリフォルニア州のヨセミテ国立公園で誕生。ロッククライマーであったマイク・グラハム氏が創業しました。
グラハム氏は、既存のクライミングパンツに不満を持ち、機能性に優れた独自のパンツを次々に発表。たちまち多くのクライマーのハートを掴みます。スタイリッシュなデザインは、クライミングの枠を越えてファッション業界でも人気となり、多くの人を虜にしてきました。
創業から40年経った現在でもショートパンツの定番アイテムとして、ファッション感度の高い男性に愛され続けています。
グラミチのショートパンツが人気の秘密
グラミチが、人気ブランドへ仲間入りした理由に高い機能性があります。
「ガゼットクロッチ」構造や「ウェビングベルト」など独自の発想で多くのクライマーに衝撃を与えました。
「ガゼットクロッチ」は、180度自然な開脚を可能にし、スムーズな歩きを実現。歩行時のつっぱり感などストレスを軽減してくれます。
「ウェビングベルト」は、片手で自在にフィット感を調整できる優れもの。今やアウトドアパンツの定番ともなっていますが、グラミチが最初に取り入れた機能です。
これら2つの機能に代表されるように、高い機能性を持ったグラミチのショートパンツ。一度、足を通したら人気の理由をすぐに味わえます。
カッコよく短パンを履きこなす3つのポイント
暑い時期には、涼しくて快適なショートパンツが欠かせません。アウトドアシーンやタウンユース、部屋着としてもカッコよく履きこなしたいところ。
ショートパンツは、快適さ以外にも、抜け感や遊び心を演出できるメリットがあります。しかし、履き方を間違うと「子どもっぽい」「ダサい」といった印象を与えかねません。
ショートパンツをカッコよく履くためには以下の3つのことに注意してください。
シンプルなカラーリング
ショートパンツは一歩間違えると、子どもっぽい印象を与えてしまいます。カッコよく履きこなしたい大人の男性は、シンプルなデザインのショーツを選びましょう。
柄物ではなく、単色のショーツを選ぶのがポイントです。明るい色のシャツの場合は、黒やベージュの落ち着いた色をチョイスしてください。白っぽいシャツの場合は、さまざまなカラーリングに合わせられますが、白色のショーツは避けましょう。
スニーカーなどカジュアルな靴に合わせる
ショートパンツは、カジュアルなシューズとの相性がいいです。革靴などキレイめなスタイルとは相性が悪く、合わせにくいためスタイルが崩れてしまいます。
ショートパンツを履く際には、上着だけではなく、足元との相性も考えることが大切です。
丈は膝小僧の少し上
ショートパンツをカッコよく履きこなすためには、丈の長さが大切です。ポイントとして、膝小僧のやや上あたりの丈にしましょう。
長すぎると「だらしない」「野暮ったい」印象を与えてしまいます。逆に短いと露出度が高くなり「不潔」なイメージから女性ウケが悪いです。
足の長さなどによって理想の丈は変わってきますが、基本のスタイルとしては、膝小僧のやや上を意識してみてください。
以上、ショートパンツをカッコよく履きこなすポイント3選です。ショートパンツ選びの参考にしてみてください。
おすすめのグラミチショートパンツ5選
グラミチのショートパンツをカッコよく履きたい男性に向けておすすめのアイテムを5つご紹介します。
このパンツを履けば間違いない。というアイテムを選びましたので、ぜひ参考にしてみてください。
Gショーツ
まず外せないのが、グラミチの原点にして、グラミチを象徴するGショーツ。1980年代、クライマーが欲しい機能をすべて具現したグラミチの代名詞でもあるオリジナルショーツです。
グラミチの代名詞であるGショーツは、シルエットやディテールを現代のニーズに合わせアップデートしています。片手で簡単にサイズ調節ができるウェビングベルトを使用し、股下は180度開脚可能なガゼットクロッチを採用。快適性と足運びの良さを実現します。
少しゆったりめのシルエットのため、ゆとりを持たせて履きたい男性におすすめ。豊富なカラーバリエーションも魅力の一つです。何着持っていても飽きがこないGショーツで抜け感を楽しんでみてください。
NNショーツ
モダン仕様の「NNショーツ」は、グラミチのショーツの中で最も細身でスタイリッシュなデザインです。旧型の「ナローパンツ」よりも股上やヒップ周りをスッキリとさせたことから「ニューナロー=NN」と名付けられました。
細身のデザインですが、伸縮性に優れ、程よいハリコシのあるストレッチツイルを使用し、快適な動きが可能。180度の開脚を可能としたガセットクロッチ、片手で調整できるウェビングベルト搭載で履き心地のよさは間違いなしです。
スタイリッシュかつスマートなデザインの「NNショーツ」。シャツなどキレイめなスタイルと合わせて日常に遊び心を入れたい男性におすすめです。
STショーツ
「STショーツ」は、これまで紹介したGショーツとNNショーツの中間的なサイズ感です。2つのショーツの良いところを組み合わせており、ストレートラインがきれいなデザインとして人気のアイテムです。
伸縮性に優れ、ハリコシのあるオーガニックコットンのストレッチツイルを使用しているので快適な動きが可能に。製品染により、雰囲気のある表情に染め上げています。
現代のニーズに合わせ生まれた定番ショーツ。シンプルなデザインにも関わらず、グラミチ特有の機能性を併せ持っており、あらゆるシーンで重宝できるおすすめのアイテムです。
シェルギアショーツ
山やタウンユースだけには物足りず、海や川でも楽しみたい男性には、水陸両用の「 シェルギアショーツ」がおすすめ。グラミチのルーツであるクライミングシーンにおける機能性を残しつつ、現代のライフスタイルに合わせたギアショーツです。
前身頃から後身頃にかけての大きなポケットが特徴で、程よいゆとりとスマートさを合わせもったシルエットです。ポリエステル素材のショーツは、通気性や吸水速乾性に優れ、撥水機能が備わっています。
汎用性の高い「シェルギアショーツ」が一着あることで、どんな状況にも対応できます。アウトドアでもタウンユースでもカッコよく着こなしたい男性におすすめのアイテムです。
ガジェットショーツ
グラミチのルーツであるクライミングシーンにおける機能性を残し、現代のライフスタイルに合わせた「ガジェットショーツ」。山にも街にもアジャストしてくれる程よいゆとりとスマートさを兼ね揃えたシルエットが特徴です。
両サイドの前身頃から後身頃にかけての大きなポケットに、さまざまなギアを収納できます。100%オーガニックコットン使用のコットンツイルが使用されており、耐久性が高く、激しい動きにも耐えることが可能。
アウトドアシーンからタウンユースまで幅広く活躍できる「ガジェットショーツ」。快適にそして、スマートにグラミチを堪能できるおすすめのショーツです。
ライターから一言
ショートパンツは、暑い時期には欠かせない必須アイテムです。しかし、選び方、合わせ方を間違えると「ダサい」着こなしになってしまうことも。
カッコよく短パンを履きこなしたい大人の男性には、グラミチのショートパンツがおすすめ。ファッション性だけではなく、機能性にも優れ、一度履いたらリピートすること間違いなし。
グラミチのショートパンツで、カッコよく夏を乗り越えましょう。
創業170年のジーンズブランド「リーバイス®(Levi’s®)」。今回ご紹介するのは、現存するすべてのジーンズの原点「501®」です。
当サイト「FUNDAY」では、数あるブランド・商品の中から、各分野に精通した筆者が「本当に欲しい」と思うモノだけを厳選してご紹介。モノ選びのストレスが軽くなるよう、商品の詳細やブランド情報、選び方なども合わせて解説しています。
今回はアパレル販売員歴10年の筆者が、リーバイス®の501®の中から特に大人の男性におすすめのものをセレクトしました。さらに501®誕生の経緯についても解説しています。ぜひ最後まで読んでみてください!
501®誕生の経緯
1853年、ドイツ出身のリーバイ・ストラウス(Levi Strauss)は、アメリカ・カリフォルニア州のサンフランシスコに雑貨や生地を販売する「リーバイ・ストラウス社」を設立。過酷な作業を行う労働者のために、テントや船の帆の材料だった丈夫なキャンバス地のワークパンツを製造・販売していました。
1870年、リーバイ・ストラウス社から生地を仕入れていた仕立て屋のヤコブ・ウィリアム・デイビス(Jacob Davis)は、蒸気機関車や馬の背に乗せる鞍(くら)に使用されていた金属製のびょう(リベット)を、ワークパンツの負荷がかかる部分に打って補強するアイデアを思いつきます。これはテントや荷馬車のカバーの製造を専門としていた彼だからこそ思いついたアイデアでした。
しかし、このアイデアを真似する人たちが現れ始めます。そこでヤコブ・デイビスはリーバイ・ストラウスに相談。1873年、リーバイ・ストラウス社と協同で「衣料品のポケットの補強にリベットを使用する方法」の特許を取得しました。
1890年に独占特許の期限が切れると、リーバイ・ストラウス社はロッドナンバーを導入。すべての製品に「5」で始まるナンバーを付けました。こうしてすべてのジーンズの原点である「501®」が誕生したのです。
大人の男性におすすめしたいリーバイス®の501®5選
さっそくセレクトした5点をご紹介していきます。なお、今回はきれいめコーデに合うノンダメージ、かつ経年変化をより楽しめるダークインディゴカラーの商品を選んでいます。
1. LEVI'S(R) VINTAGE CLOTHING(R) MEN’S 1937 501(R)オリジナルフィットデニム
まずご紹介するのは、深めの股上とゆったりしたストレートシルエットが特徴の1937年モデルです。まだベルトが普及していなかった当時、リーバイス®のジーンズの背面にはウエスト調節機能を果たす「シンチバック」というものが付けられていました。こちらのモデルではそれが再現されています。
またこちらは「リジッド」と呼ばれる未洗い(ノンウォッシュ)のモデル。洗濯をすると縮むので、あらかじめ1、2サイズ大きいものを選びましょう。リジットはジーンズを「一から育ててみたい」という方におすすめです。
2. LEVI'S(R) VINTAGE CLOTHING(R) 1944 501(R)リジットデニム
続いては1944年モデルをご紹介します。1939〜1945年の第二次世界大戦中、リーバイス®のジーンズは資材節約のためにコインポケットと股部分のリベット(銅製のびょう)、シンチバックが省略されていました。月桂樹の葉がデザインされたトップボタンや刻印のないドーナツ型ボタンも特徴。それらのシンプルなスタイルを反映しているのが1944年モデルです。
また1937〜1966年ごろ、リーバイス®はリベットが隠れるようにバックポケットを縫い付けていました。これは「リベットが家具や馬の背に乗せる鞍(くら)に傷を付ける」という顧客の不満に応えるためでした。
さらにはこれを強調するため、「ポケットフラッシャー」と呼ばれる宣伝ラベルを発明。バックポケットに縫い付けられたオレンジ色のフラッシャーには、“The Rivet’s Still There.(リベットはまだここに)”の文字と、隠れているリベットの位置を指し示す矢印が描かれていました。1944年モデルはそうしたデザインも忠実に再現されています。
3. LEVI'S(R) VINTAGE CLOTHING 1947モデル 501(R) JEANS NEW RINSE
次にご紹介するのは、第二次世界大戦後の1947年モデルの復刻版。シンチバックとサスペンダーボタンが除かれ、よりスリムなフィットにアップデートされています。
こちらは「リンス」といって生地に洗いをかけてあらかじめ縮ませたモデルです。洗い加工によってのりが落ちているのでリジットに比べて柔らかく、なじみやすいのがメリット。すでに縮んでいるためサイズ選びも難しくありません。また生地表面の毛羽を焼く「毛焼き処理」という加工が施されており、織組織が鮮明でなめらかな風合いになっています。
4. LEVI'S(R) VINTAGE CLOTHING 1955モデル 501(R) JEANS NEW RINSE
続いては1950年代のバイカースタイルを代表するモデル。腰回りがルーズな「アンチフィット」と、レッグ部分を大きめにカットしたボックスシルエットが特徴です。
縮んで劣化しやすいレザー製の「ツーホースパッチ」に代わり、紙製のパッチが初めて導入されたのがこのモデルでした。ツーホースラベルとは、「馬で両サイドから引っ張っても破れないほど丈夫である」というリーバイス®ジーンズの耐久性の高さを示すものです。
また、このモデルはデニムの原点ともいえる、織り上げられてそのままの生機(きばた)が使用されています。生機は洗うと縮んだりよじれが起こったりするのが欠点でもあり、その特性を理解した上で変化を楽しむことがジーンズを育てる醍醐味でもあります。
5. 501(R) レギュラ ストレート ダークインディゴブルー CONE MILS
最後にご紹介するのは、2013年モデルです。アーカイブの501®よりも、膝から裾にかけてスリムでモダンなシルエットに進化しています。
使用されているのはリーバイス®と100年以上に渡って協業してきたコーンデニム社(旧コーンミルズ社)の文献に残る、1909年製の極濃色インディゴをイメージして作り上げられた生地。経糸(たていと)に異なる太さの糸をミックスした凸凹感のある表情が特徴的で、穿き込むほどに味わいを増していくジーンズです。
ライターからひとこと
今回はリーバイス®の501®をご紹介しました。ジーンズは古着屋でレアな年代ものを探す楽しみ方もありますが、「これだ!」と思う現行品を購入して自分好みの風合いに育てていくのもまた楽しみ方の一つです。ぜひ世界に1本だけのジーンズを育ててみてください!