欲しいのは「ヴィンテージ風」に加工された家具ではなく、本当に使い込まれた味のある家具。でも古いのにやたらと高価なイメージもあるヴィンテージ家具には、そうそう簡単に手が出ません。
そんな方にぜひチェックしてほしいのが、古材を使った「OLD ASHIBA(オールドアシバ)」の家具。正真正銘、世界にひとつの一点もので価格もお手ごろ。そのうえサステナブルで、気持ち的にもウェルビーイングになれるプロダクトです。
愛用歴3年のライターが実際に使ってみてのレビューも含めて、OLD ASHIBAの魅力を紹介します。
古材家具ブランド「OLD ASHIBA」とは?
広島の老舗木製品メーカーWOODPRO(ウッドプロ)が2008年に立ち上げたブランド「OLD ASHIBA」。平成初期のカフェブームによるヴィンテージ家具の需要も追い風にじわじわとファンを増やし、現在は東京蚤の市などのポップアップイベントでも常連となった人気ブランドです。
「OLD ASHIBA」の家具は、建設現場で職人が歩くための仮設材である足場板をリユースして作られたもの。材としてはまだまだ使えるものの、安全性の理由から5年ほどで捨てられてしまう足場板を洗って乾燥、研磨することで家具材としてアップサイクルしています。
完全に消毒や殺菌をしているわけではなく、足場板という特性上かなり個体差があるのでその点はご了承を。しかしこの板の上を職人たちが闊歩していたかと思うと、なんとも心くすぐられます…!ちなみに筆者はテレビボードとリビングテーブルを愛用中です。
「唯一無二」なOLD ASHIBAの家具。選び方のポイント
足場板を再利用した「OLD ASHIBA」のプロダクトには、買う前にいくつかチェックしておきたい注意点も。しかしデメリットも含めて味わいとして愛せる方には、かなり魅力的な家具です。
色味や木目に個体差がある
基本的にはナチュラルな杉材の色ですが、濃かったり薄かったりと個体差があり、木目や汚れ具合もばらばら。サビた感じの濃い茶色の線が入ることもありますが、届くまで表情がわからないのもまた一興です。
天然木の質感がいちばん活きるのは無塗装の仕上げですが、アイテムによってはブラックやダークブラウン、グリーンなどの塗装色も選べます。
反りや欠けがある
大きな穴はパテ埋めがしてありますが、小さな欠けやキズはそのまま残っています。長く使うと反ったり、多少の割れが出てくることも。日常生活で使う分にはまったくく問題ないですが、念のため子どもが座ったり触ったりする際は、安全面で注意が必要かもしれません。
しっかり厚みがある
もともと足場としての耐久性が求められていた材なので、板の厚みは3.5cmほどと厚め。がっしり無骨な雰囲気でタフに使えるのが古材家具の醍醐味ですが、反面モダンやスタイリッシュなイメージのインテリアには合わせにくそうです。
OLD ASHIBAの古材家具おすすめ4選
テーブルやミラー、ガーデン用品まで豊富なラインナップを揃えるOLD ASHIBAの家具から、中でも汎用性高く使える優秀アイテムをピックアップ。それぞれサイズもカラーもバリエーション豊富なので、インテリアに合わせて選んでみてください。
ベンチシェルフ
椅子として、ディスプレイ台として、ローテーブルとしても使える多機能ベンチシェルフ。複数台を重ねればオープンラック的にも使えます。高さは2タイプから選べ、42cmタイプならダイニングテーブルと合わせて座るのに最適。
さらに横幅は3サイズあり、両端の飛び出しの有無も選べて、塗装色の指定もOK。もっとこだわりたい!という玄人は、ブランドサイトからサイズオーダーが可能です。好みに合わせてカスタムし放題の懐の深さは、老舗木製品メーカーだからこそ作れる逸品です。
ベジタブルボックス
浅型と深型の2タイプがあり、底板が外れるので汚れたときの掃除も楽な収納ボックス。農家で使う保存用の木箱、いわゆる「りんご箱」をインテリアに使うアイデアは古いモノ好き界隈で一時ブームになりましたが、こちらはより厚みがあり、頑丈でタフに使えます。
雑誌や本、食品のストックをしまってもいいし、スリッパやブランケット、キャンプ用品の収納にもいいですね。浅型タイプは、植物の小鉢をまとめて飾るプラントボックスとしても使うのもアリです。
オープンラック
どう使おうかと妄想がはかどる、超シンプルな四角形のフレーム。文庫本や漫画をぎっしり並べたり、フィギュアを飾って眺めたり、ソファサイドにおいてテーブル代わりにしたり。プリンタやモニタの台にしてもいいかもしれません。
特筆すべきはサイズバリエーションの豊富さで、10種類以上から用途に合わせて選べます。類似のラックなら数百円で買える時代ですが、飾り気のないデザインだからこそ、質感には抜かりなくこだわりたいものです。
レタートレイ(A4サイズ)
無機質になりがちなデスクまわりに、こんな素材感あふれるレタートレイがあれば、気分よく仕事もこなせそう。A4の書類が余裕をもって収まるサイズで、タテヨコの向きが選べます。
トレイ単体で重ねて使うのはもちろん、別売りのボックスと組み合わせれば引き出しのように使えてさらに便利。ビス打ちをあえて外に見せた仕上げも、ラフな質感を際立たせています。
OLD ASHIBAを3年間使ってみた感想
筆者はOLD ASHIBAのベンチシェルフをサイズ違いで2台持っていて、テレビボードとソファテーブルとして使っています。そんな拙宅の写真を少しだけ。
インテリア的には景観をそこねるアイテムでしかないテレビをどんな台に置くか問題は、家具好きあるあるだと思うのですが、その点OLD ASHIBAのベンチシェルフはかなり優秀。憎きテレビの黒々とした存在感をいい具合に和らげて、空間に馴染ませてくれる気がします。
いつか「テレビなんてもう捨ててしまえ!」という日が来たらベンチとして使うつもりです。つまり言いたいのは、シンプルなフォルムゆえ使い方も自由自在だということ。
WEBサイトでは使用実例も多く紹介されているので、眺めながらイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。
古材家具の魅力を味わうOLD ASHIBA
天然木そのものの持ち味を楽しめて、キズや汚れを気にせず使えるOLD ASHIBAの家具。
建設現場の足場材を活用するというエコフレンドリーな視点で、魅力あるプロダクトを生み出す姿勢にも拍手です。豊富なラインナップから、ぜひ自宅に合うものを探してみてください。
スツールとは背もたれのない椅子ですが、実は「座る」以外にもいろいろ使えるコスパ最高の家具だということをご存じですか?
今回は上質カジュアルなインテリアに馴染むおすすめの木製スツール5選をご紹介。デザインはもちろん天然素材の質感にもこだわった本物志向のプロダクトは、値段以上の価値を感じられるはずです。
小さくてハイクオリティ、かつ便利に使い回せる木製スツールをぜひ1脚、いや2脚、室内に取り入れてみてはいかがでしょう。ポイントを抑えてきちんと選べば、いくつあっても困りませんよ。
木製スツールを選ぶ4つのポイント
ひとくちに木製といっても、掘り下げていくと素材や形は実にさまざま。買ったあとどんな場面で、どうやって使うかをじっくり想像してみることが、後悔しないスツール選びのポイントです。
1.木質の色味はどうか
テーブルや椅子、本棚など、部屋の中にある木製家具の色味は統一するのがインテリアコーディネートの基本的なセオリー(もちろんあえてハズすのもあり)です。
スツールを買うときは手持ちの木製家具と色味を揃えると、室内がすっきり見えて失敗がありません。デザインが異なるスツールを複数置くときも、木質の色が合っていればこなれた雰囲気でまとまります。
2.座り心地と形状はどうか
座り心地や形状も木製スツールを選ぶポイントとなります。
全体が木でできた板座のスツールはテーブルとしても使えて便利ですが、長時間座ると疲れるのでチェアパッドなどを敷くのがおすすめ。一方で、座面がレザーやファブリックなどで張り込まれたタイプなら座り心地は良好ですが、上にものを置くには不向きです。
座面の形はスクエアタイプなら壁に接して置くことができる、ラウンドタイプなら空間を柔らかく見せてくれるなど、それぞれにメリットがあります。置く場所やインテリアのテイストに合わせて選びましょう。
3.スタッキングできるか
とにかく場所を取らない、コンパクトに使えるのがスツールのいいところ。さらにスタッキングできるタイプなら、使わない時も収納場所に困りません。
スタッキングスツールを買う際は「積み重ねの最大数を調べておくこと」と、「スタッキングした状態でどう見えるか」を必ず確認しておきましょう。部屋の隅で重なった姿まで美しく、そんな細部へのこだわりがインテリアをぐっと格上げしてくれます。
4.収納ボックスとして使えるか
中にものを入れられるボックスタイプのスツールは、読みかけの雑誌やブランケットなど、リビングやダイニングですぐに使いたいものの収納場所として最適です。ペットボトルやお米のストックなど重くて棚に入れるのが大変なものも、床置きのスツールなら楽にしまえます。
木製スツールを「座る」以外でどう使う?
背もたれやアームのない木製スツールはそのシンプルさゆえ、椅子以外の用途もさまざま。工夫次第で活用方法は無限大です。ぜひ自分のライフスタイルに合わせた使い方を楽しんでみてください。
植物や照明を置く
ゲストを家に招いたときのサブチェアとしての出番も多いスツールですが、普段は収納場所に困ってしまうこともあります。ならばインテリアの一部として、出しっぱなしにしてしまいましょう。
質感のいい木製スツールなら、植物や照明などちょっとしたインテリア小物を置くためのステージにもなってくれます。洋書などを重ねて高さを出した上に置くのも、見栄えがしておすすめです。
サイドテーブルとして
ソファに座ってくつろぐとき、コーヒーやタブレットを手元に置きたい、そんなときも軽くて移動のしやすい木製スツールが大活躍。座面がフラットなものを選べばサイドテーブルとしても使えて便利です。
ほかにも、デスクの脇にスツールをセットしてマグカップ置きとして使えば、PCに「飲み物をこぼしてしまった!」という事態も防げます。
脚立の代わりに
1台あると何かと便利な脚立ですが、日常生活では出番が少なく、見た目の良いのものがあまりないのが難点です。予想以上に値が張るのも気になるところ。
わざわざ脚立を買わなくても、ちょっと高い場所のものを取るくらいなら丈夫な木製スツールがあれば十分かもしれません。
玄関で靴を履く
ハイカットスニーカーやブーツの紐を結ぶとき、できれば座りたい…と思う方も多いはず。デザインにこだわった木製スツールなら、殺風景になりがちな空間でオブジェのような役目を果たしてくれるうえ、座るだけでなく荷物のちょい置きにも便利です。
折り畳みができるもの、シューズラックが一体になったものなど、玄関に最適な機能性の高いスツールもあります。
天然木の質感が良い優秀スツール5選
ここからはおすすめの木製スツール5つをピックアップ。毎日目にする家具なので、何であれ見た目がカッコいい、好みであることが最優先事項と思って間違いありません。お眼鏡にかなうデザインのスツール、ありそうですか?
ジャーナルスタンダードファニチャー(JOURNAL STANDARD FURNITURE)パンガ スツール
人気ファッションブランド「ジャーナルスタンダード」の家具は、普遍的なデザインに程よくトレンドを取り入れた、ヴィンテージとモダンの絶妙なバランス感が特徴。このパンガスツールは薄い座面に放射状のシャープな3本脚を組み合わせ、凛としたフォルムに仕上げています。
実はこのスツール、ジャワ島の築100年を超える家屋の解体時に出たチークの古材を活用して作られたもの。チーク材は世界三大銘木として知られ、年々入手困難となる希少な材です。良質なオールドチークのスツールがこの価格とは、正直かなりお値打ち。
新しい材にはない歴史と味わいを感じられつつ、サステナビリティにも配慮した、長く愛用し続けたくなるプロダクトです。
アンドエヌイー(&NE) ラウンドスタッキングスツール
北欧家具の名作、Artek(アルテック)のスツール60に似せた、言わば「ジェネリック・スツール60」は世の中に数多くあります。中でもおすすめなのがアンドエヌイー(&NE)のスタッキングスツールです。余計な凹凸のないすっきりとしたフォルムで、座面の側面に合板の層が見えることでよりラフで今っぽい雰囲気に。
商品も多く、定番色ナチュラルのほかオールブラックのタイプ、座面のみ色がついたタイプなどバリエーションも豊富です。イチ押しは座面に穴の空いたハンドル付きタイプ。他にはないユニークなデザインがいい具合に「こだわってる感」を醸し出してくれます。
マム(mam)アロエ スツール
人気家具ブランド「CRASH GATE」などを手掛ける、福岡の老舗家具メーカー関家具のマム(mam)アロエ スツール。図工室や理科室で使っていた椅子を思わせるどこか懐かしいデザインにグッときます。
ヴィンテージ加工を施したパイン材をオイル塗装で仕上げているため人工的なツヤがなく、天然木の風合いをダイレクトに感じられるのも魅力です。使えば使うほど深まる、無垢材ならではの味わいを楽しんでみては。
無印良品 木製ベンチ 小
さすが無印と言いたくなる、絶妙にツボを抑えたミニマルな木製ベンチ。中国で古くから使われてきた伝統的な椅子のフォルムをモチーフに、奥行14cmというスリムなサイズ感に仕上げています。玄関やキッチンなどの狭いスペースにも置きやすく持ち運びも楽々、家中どこかしらで必ず使えるデザインです。
横幅はしっかりあるので華奢な見た目に反して座りやすさも上々。座面や脚部のつなぎ目部分に見える四角い木組みのパーツが、小粋なアクセントとして効いています。
OLD ASHIBA 収納ベンチ
スツールというよりベンチですが、かなり魅力的な逸品なのでぜひご紹介を。OLD ASHIBAは、建築現場の足場として使われる杉古材を活用した家具づくりを行うブランド。キズや割れ、釘跡なども味わいとしてそのまま活かした、一点一点違う古材ならではの表情がたまりません。
もともと足場として使われていた板材のため厚みもしっかりで、丈夫さはお墨付き。幅90cmのボックスベンチは収納量も十分です。座面部分の開閉金具はソフトクローズ機構付きで、子どもが手を挟まないよう安全性にも考慮されています。
木製スツールをとことん楽しもう
家中どこでも使えて、ダイニングチェアより価格もお手ごろ、どんなインテリアにも合わせやすい木製スツール。普段づかいはもちろん、数脚持っておけば急な来客のときにも安心です。使用シーンや部屋のテイストに合わせて、ぜひお好みの1脚を探してみてください。