「スツール60」の優秀リプロダクト&代替品おすすめ4選。買ったあと後悔しない選び方も

誰もが一度は見たことのある名作スツールといえば、アルテック社の「スツール60」。発売から90年以上経ったいまでも新鮮さを失わない、単純明快で美しいフォルムはまさに秀逸のひとこと。しかし名作椅子ゆえ、それなりに高価なのがネックです。 今回は「本当はスツール60が欲しい!」という北欧家具好きの人もきっと満足できる、ハイクオリティかつお手頃プライスの代替品を紹介します。素材もデザインもさまざまな4タイプから、インテリアのテイストに合わせて選んでみてください。 20世紀を代表する名作椅子「スツール60」とは? 住宅はもちろんオフィスや公共施設まで、世界中のあらゆるシーンで愛用されているスツール60。その魅力とは一体何でしょうか? アルヴァ・アアルトによる無駄のないデザイン スツール60が誕生したのは1933年。フィンランドを代表する建築家・デザイナーのアルヴァ・アアルトがデザインを手がけ、同じくフィンランドの家具ブランドartek(アルテック)から発売されています。 「日々の暮らしをより良く、より美しく」というアアルトのデザイン哲学がそのまま体現されたようなスツール60は、丸板に3本の棒を取り付けただけという最小限の構造が特徴。要素を極限までそぎ落とした機能美が評価され、2019年度にはグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しています。 曲げ木技術「L-レッグ」による革新的構造 スツール60のデザインでひときわ目を引くのが、丸い座面の下から伸びる曲がった脚部。無垢材に数ミリ間隔の切れ目を入れ、熱を加えながら力を加えることで分厚い木材を曲げるという、高度な技術の賜物です。 アルヴァ・アアルトが開発したこの「L-レッグ」と呼ばれる曲げ木技術は当時の人々を驚かせ、数々のアルテック製品にも取り入れられ、今やブランドの代名詞的存在となりました。 スタッキングもできる圧倒的な汎用性 スツール60はオリジナルの3本脚に加え、安定性を高めた4本脚の「スツール E60」も販売されています。どちらもスタッキングができ、異なる脚数のスツールを重ねることも可能。積み重ねた様子も美しいので、使わないときもオブジェのように部屋に馴染み、景観を損ねることもありません。 丸い板に脚がついただけのシンプルさゆえ、座る以外にもいろいろな用途で使用が可能。床に座って過ごすときの臨時テーブルにしたり、ベッドサイドテーブルにしたり、植物を置く台にしたりと、いくつあっても困らない汎用性の高さも魅力です。 後悔しないスツール選びのポイント テーブルやソファと比べると深く考えず買ってしまいがちなスツールですが、一度買ったらなかなか買い替えないので、インテリア好きならこだわりの1脚を選びたいもの。スツールを買うにあたって具体的に何をチェックするべきか、後悔しない選び方のポイントをまとめました。 ①部屋にマッチする素材と色を選ぶ 木製以外にもプラスチック製やスチール製など、いろいろなタイプのスツールがありますが、部屋の雰囲気とマッチさせるうえで素材選びはとても重要。 木製なら、テーブルや棚などの他の家具と木質の色味を合わせることでまとまりのある空間に。クールな質感のスチール製は、モノトーン基調のインテリアに似合うのはもちろん、あえて木質の多い空間に1脚取り入れれば空間がきりっと締まります。 プラスチック製スツールの魅力は、なんといっても軽い&水に強いこと。洗面所やキッチンでも使いやすく、子どもがいても気兼ねなく使えます。 ➁用途に合った座面の形を選ぶ 座面の形は大きく分けてラウンド型とスクエア型の2タイプ。スツール60のようなラウンド型は、空間をやわらかく見せたり、置く向きを問わない良さがあります。一方スクエア型は壁にぴったり付けられるので、スペースを無駄なく使えることがメリットです。 また形だけでなく、座面の素材も要チェック。クッションがついたタイプは座り心地は快適ですが、台やテーブルとして使うときは安定しづらいことも。より多用途に使うには、硬くフラットな素材の座面を選んで、座るときにシートクッションを敷くのがおすすめです。 ③スタッキングできるかどうかで選ぶ おもに来客時の補助イスとして使うなど、使用頻度が高くない場合は、スタッキングできるタイプなら収納場所に困りません。スタッキングスツールを選ぶときは、積み重ねたときの姿が格好いいかどうかも確認しておきたいところです。 「スツール60」に代わる良デザイン&高コスパスツール4選 スツール選びにこだわりたいと言っても、実際スツール60を買うのはなかなかハードルが高いという方も多いはず。ここからは、スツール60に近い雰囲気のデザインでありながら、価格も手頃なスツール4製品を厳選して紹介します。 【アンドエヌイー】ラウンドスタッキングスツール  スツール60の4本脚に近い完成度で仕上げられているのが、&NEのスタッキングスツール。本家のような無垢材ではなく積層材を使っているものの、木の質感や色味はかなり良い雰囲気です。 ソファでくつろぐときにサイドテーブルとして使ったり、玄関に置いて靴を履くときに座ったりと、さまざまな用途で使いやすいフォルムです。 数ある色やデザインバリエーションの中でも、特におすすめなのは座面に穴が開いたハンドル付タイプ。移動する際も片手で持てて便利なうえ、デザインのポイントにもなってくれます。 どんな空間にも似合うミニマルなデザインで、引っ越しても長く愛用できる1脚です。 【moca company】 Starle 木製スタッキングスツール キッチン家具をメインに、リーズナブルなアイテムを取り揃えるブランドmoca companyの人気スツール。座面を取り囲むように4本の脚部が付いたデザインは、いい意味で椅子っぽさが少なく、サイドテーブルや飾り台として使うのにもふさわしい形です。 木の質感を楽しめるナチュラル色やブラウン色のほか、清潔感のあるオールホワイトや、ブルーやグレーなど座面のカラーバリエーションが豊富なのも魅力。色違いで複数脚揃えるのもおすすめです。 【無印良品】 スチールパイプスタッキングスツール    天然木の座面にスチールパイプの脚部を組み合わせた、無印良品のスタッキングスツール。硬質なスチールの質感が木の温かみをほどよく抑え、全部が木製でできたスツールに比べるとよりすっきりとした印象になります。 こちらのスツールは、絶妙なニュアンスのある色展開も魅力。ウォームグレー、ダークグレー、エンジといった無印良品らしい穏やかなカラーがインテリアに馴染みつつ、ほどよいアクセントにもなってくれます。 【イーサプライ】 丸椅子 スツール いかにも簡素な丸椅子、といった趣の1脚。スツール60の雰囲気とは異なりますが、モノトーン基調の空間や、インダストリアル系の男前なインテリアによく似合うデザイン。耐荷重は100kgあり、軽量ながら頼れるスツールです。 カラーバリエーションは黒、グレージュ、ベージュの3色。座面にややくぼみがあるので台としては不向きですが、汚れてもさっとふき取れるので、屋内はもちろんベランダやガレージでも使用が可能です。キズや汚れも味わいになり、屋内外でタフに活躍してくれます。 「スツール60」に代わる手頃なスタッキングスツールを選ぼう 今回はアルテックの名作「スツール60」の代わりに買いたい代替製品4つをご紹介しました。どれも価格以上の質感を持つアイテムなので、憧れの北欧家具を買うのは少しハードルが高い、という方はぜひ参考にしてみてください。