大人メンズファッションの定番ボトムスの一つとなったチノパンは、ビジネスカジュアルとしても使える汎用性があります。チノと似ているようで一味違う魅力を持つのが、近年ファッション感度の高い大人から注目されている「ワークパンツ」です。
本記事ではディッキーズのワークパンツを厳選して4つ紹介します。チノとは違う魅力や選び方、注意点も解説するのでぜひ参考にしてください。
ディッキーズのワークパンツを大人のファッションにうまく取り入れて、普段のコーデを一段アップデートしませんか。
ディッキーズとは
ディッキーズ(Dickies)は、いとこ同士であるC.N.ウィリアムソンとE.E.ディッキーが1922年にアメリカのテキサス州で創業したワークウェアブランドです。正式名称は「Williamson-Dickie Manufacturing Company」ですが、簡略化したディッキーズという名称で一般的には呼ばれています。アメリカ全土の農夫や鉱夫など労働者に向けて作業着を開発・販売した後、大戦時には政府の要請を受けて制服を供給するまでになりました。
1967年にアイコン商品のワークパンツ「874」を発表し労働現場での地位を確立すると、80年代以降はファッションアイテムとして取り入れられます。各分野のアーティストや著名人にも愛され、現在ではファッションブランドとしての顔も持つようになりました。
ディッキーズのワークパンツの魅力
ディッキーズのワークパンツの魅力を知れば、年代に関係なく興味を持つはず。以下では世界中で愛されるその魅力について解説します。
チノパンとは違う生地
ディッキーズのワークパンツは、チノパンとは違った魅力のある生地で作られています。
よく誤解されがちですが、ディッキーズのワークパンツの生地はチノパンの生地とは違います。チノパンの生地であるチノクロスは一般的に厚手の綿の生地ですが、ディッキーズのワークパンツの生地はTCツイルというポリエステル65%綿35%の混紡生地です。
ワークウェア用に開発された経緯から丈夫でシワになりにくいのが特徴で、独特のハリと光沢感があるのも魅力です。また、洗濯前のはじめは「スコッチガード」という特殊な加工が表面に施されていて、雨や汚れから生地を守ってくれます。
厚すぎず速乾性もあるので、真夏・真冬以外のさまざまなシーズンで長く履ける生地です。
シルエットの汎用性
ディッキーズのワークパンツの魅力はシルエットの汎用性の高さです。
ストリートファッションでも人気のパンツだけにルーズな印象を持たれがちですが、874など代表的なモデルは程よいテーパードのかかったシルエットが特徴。センタープレスの効果も足されて、ジャストサイズで合わせれば実は大人コーデでもキマる上品な印象のパンツです。
サイズの選び方によって若者のストリートスタイルにも大人のキレイめスタイルにも使えるシルエットは、パンツとしてとても優秀です。
リーズナブルな価格
ディッキーズのワークパンツは、リーズナブルな価格で手に入ります。
独特な魅力があるとは言え、あくまでもワークパンツ。本来着用する労働者たちが手に入れやすい価格に抑えられています。もっとも、普段のファッションに取り入れたいと検討している方にとっても、低価格なのは試しやすさにつながりますよね。
リーズナブルなパンツなので、「普段使いできるか」失敗を恐れずにトライしてみましょう。
ディッキーズのパンツの選び方
大人男性がディッキーズのパンツを着こなすには、選び方にコツがあります。以下で普段のコーデにうまく落とし込めるパンツの選び方のコツについて解説しましょう。
874を基準にスリムorワイドは好みで
ディッキーズのパンツを選ぶときは、874を基準にそれよりスリムorワイドどちらか好みのモデルを選びましょう。
ディッキーズの大定番モデル874は、ややテーパードがかかった程よい太さのパンツです。まずは中間くらいの太さの874を検討して、フィット感を求めるならスリムなものを、リラックス感を求めるならワイドなものを選ぶ、というように考えれば決めやすいでしょう。
どの太さのモデルも全体のシルエットは上手に調節されています。長く愛用できるように自分の好みの太さを選んで、TCツイル生地の魅力を味わってください。
黒などの落ち着いた色を
大人がきれいにディッキーズのワークパンツを履くなら、黒などの落ち着いた色を選ぶことをおすすめします。
トラウザーのようにセンタープレスの入ったシルエットを活かすコーデを目指せば、カジュアルダウンした大人の着こなしができるでしょう。鮮やかな色味も用意されていますが、まずは黒やグレー、カーキなどの落ち着いた色味のほうがより大人のスタイルを演出しやすいはずです。
迷ったらまずは黒、そこから好みでダークトーンの色味やカーキを選んでみましょう。
ディッキーズのパンツの注意点
ディッキーズのパンツは優秀なアイテムですが注意点もあります。大人がコーデに取り入れる場合に、事前に認識しておくべき注意点を挙げましょう。
大人はジャストサイズで
大人が取り入れる場合は、ジャストサイズで履きましょう。
ストリートファッションにも取り入れられることも多いディッキーズ。一つのスタイルとしてオーバーサイズで履くことはありますが、大人の着こなしには不向きです。
あくまでもトラウザーやスラックスをカジュアルダウンしたものとして取り入れたいので、ジャストサイズ(もしくはワンサイズ上まで)で履くのがおすすめです。
細いベルトしか通らない
ディッキーズのパンツはベルトループが狭く、細いベルトしか通らないのは認識しておいてください。
ディッキーズのパンツのベルトループは極端に狭く、35mmの幅のベルトがなんとか通せるくらいです。ちなみに35mm幅というのはベルト幅として通常よりやや細いので、手持ちのベルトの種類によっては別にベルトが必要になるかもしれません。
ディッキーズのワークパンツおすすめモデル4選
ディッキーズのワークパンツのおすすめモデルを4つ紹介します。それぞれの特徴や向いている方も説明するので参考にしてくださいね。
874
最初におすすめするのは、ディッキーズのアイコンであり、ワークパンツ界の傑作でもある874ワークパンツです。
まさに「ワークパンツでどれにするか迷ったらコレ」という1本。スケーターファッションなどで太めの印象が強いですが、ウエストをジャストサイズで選べばややゆとりのあるきれいなストレートシルエットが出せます。TCツイル生地は丈夫で洗濯しても型崩れしにくく、センタープレスと独特の光沢感が上品さを演出してくれるでしょう。
黒はもちろんチャコール、カーキ、ダークブラウンあたりが大人コーデに筆者はおすすめ。とても手軽に手に入れられるので、まずは試してみてください。
873(スリムストレート)
次に、874のスリムタイプという位置付けの873を紹介します。
873は、現代的なシルエットを求めているディッキーズ入門者には874よりも抵抗の少ないモデルです。TCツイル生地やセンタープレス、ジッパーフライなどの特徴はそのままに、股上を浅く渡り幅を細くしています。
細身の方や、ウエストに合わせて873を選ぶと渡り幅が太くなりすぎてしまう方にはおすすめ。ベルトループが874よりも広くなっているのも便利ですよ。
85283(ダブルニー)
85283は、ワークテイストの強いダブルニータイプのパンツです。
「ダブルニー」とは膝部分に当て布が一枚補強されていること。ワーカーが膝をついて作業をしてもすぐには生地が破れないようにした工夫から生まれました。874にくらべて太いシルエットなので、ダブルニーのギミックと合わせて無骨な印象のパンツです。
もっとも、流行のワイドパンツほど極端な太さではないストレートシルエットなので、大人でも問題なく使えるパンツです。膝と腿裏に付いているロゴマークが大人コーデには不要に感じられる場合は、気にせず取ってしまうのもひとつのアイデアでしょう。
ツイルストレッチイージーパンツ
最後に、ツイルストレッチイージーパンツをおすすめします。
TCツイル生地でできた特徴を残しながら、ウエストをゴムと紐で調節できるようにしてストレッチを全体に効かせたパンツです。品良く履くというよりは、リラックスして履けるパンツなので普段使いもしやすいでしょう。
テーパードが強くかかっているシルエットで動きやすいので、スポーティなモデルが好みの方にはおすすめですよ。
TCツイルとセンタープレスが魅力のワークパンツをぜひ
本記事では、ディッキーズのワークパンツを厳選して4つおすすめしました。
874を筆頭に、ディッキーズのパンツはTCツイル生地の丈夫さとハリや光沢が魅力。型崩れしにくいだけでなく、センタープレスの効果で上品にも履くことができるパンツばかりです。
チノパンとは別にワークパンツも手に入れて、大人コーデの引き出しをもう一つ増やしてみませんか。
創業から100年を超えるアメリカのワークウェアブランド「ディッキーズ(Dickies)」。数あるアイテムの中でも“定番中の定番”として半世紀以上愛され続けているのが、「874ワークパンツ」です。
今回はアパレル販売員歴10年の筆者が、874ワークパンツの中から特に大人の男性におすすめのカラーを5つご紹介します。またディッキーズの歴史や魅力、サイズの選び方なども解説していますので、ぜひ参考にしてみてください!
ディッキーズの歴史
ディッキーズが誕生したのは今から100年以上前の1922年。労働者のための服を仕立てるブランドとして、いとこ同士であるC.N.ウィリアムソンとE.E.ディッキーの2人が創業しました。
2人は全米各地のさまざまな職種の仕事現場を巡り、それぞれのユニフォームの特性を調査。そしてその知見を生かしながら、労働者のニーズに合わせたワークウェアを展開していきました。1923年には、874ワークパンツの原型となる「カーキパンツ」の生産をスタート。その後、カーキパンツと同素材で作られたトップスとのセットアップスタイルが、アメリカ全土へ浸透していきました。
第二次世界大戦後の1950年代、ディッキーズの本社があるテキサス州の石油労働者向けにカーキのワークウェアを発売したところ、大ヒットを飛ばします。そして1967年、ディッキーズはカーキパンツをさらに進化させた「874ワークパンツ」を発表しました。
874ワークパンツの人気が不動のものになったのは1990年代。アスファルトで擦れても破れにくいうえに手頃な価格帯であることから、アメリカ西海岸のスケーターたちにも支持され、当時盛り上がりをみせていたストリートカルチャーとともに、世界中に広まっていきました。
874ワークパンツの魅力
874ワークパンツの最大の魅力はなんといっても優れた耐久性です。そしてその耐久性を生み出しているのが「T/Cツイル」と呼ばれる素材。T/Cツイルはポリエステル65%・コットン35%の黄金比で混紡されたツイル(綾織り)素材で、擦れに強く破れにくいという特徴があります。
さらに、その生地には撥水・防汚・型崩れ防止などの効果がある「スコッチガード」という加工が施されており、シワや汚れがつきにくいという実用性も備わっています。また、874ワークパンツはゆとりのあるストレートシルエット、かつサイズやカラーの展開が豊富なため、自分の好み・体型にぴったりと合う一本が見つけられるのも魅力の一つです。
丈夫でシワや汚れがつきにくく、どんな人にも合う。874ワークパンツはまさにディッキーズのポリシー、"FIT YOU, FIT YOUR JOB(あなたにもあなたの仕事にもフィットする)"が体現されたアイテムといえます。
ジャストorルーズ?874ワークパンツのサイズ選びのポイント
874ワークパンツを選ぶ際のポイントは大きく3つです。それぞれを詳しく解説します。
ポイント1. ジャストで穿くかルーズに穿くか
874ワークパンツのサイズ選びは、自分がどのように着回したいかを決めることが最初のステップ。
874ワークパンツにはセンタープレスが施されているので、スラックス感覚できれいめに穿くこともできれば、オーバーサイズを選んでロールアップし、カジュアルな装いを楽しむこともできます。ジャストで穿くかルーズで穿くかによって、まったく異なる印象に見えるのです。
ルーズに穿くのももちろん素敵ですが、大人の男性におすすめなのはジャストサイズ、もしくは1サイズ(2inch)アップ。さらにレングスは少し短めのアンクル丈(くるぶし丈)にすると、カジュアルな装いでも大人らしさを演出できます。
ポイント2. サイズ表記は“ウエスト×レングス”
ディッキーズのパンツのサイズは、「30×32」のように「数字×数字」で表記されています。これは「ウエスト×レングス(股下)」を表したものです。
またアメリカのブランドのため、ウエストもレングスもinch(インチ)表記になっています。
以下はディッキーズの公式サイトに表示されているサイズを表にしたものです。もし当てはまるサイズがない場合は、1inch=2.54cmを目安にしてみてください。
サイズ(ウエスト×レングス)ウエスト股上股下わたり幅すそ幅28×30742875272228×32742879312230×30783075292230×32762881322232×30823075312332×3282-843081332334×30883275332334×328832813522.536×30903275332436×329032793623
ポイント3. 個体差がある前提で選ぶ
874ワークパンツのサイズを選ぶ際に、一つ注意していただきたいことがあります。それは「個体差が生じる可能性があること」です。
今回の記事を書くにあたってさまざまなオンラインショップのサイズ表を見比べたのですが、それぞれの数値に数cmの差がありました。よってサイズに迷ったときは、大きいサイズの方を選ぶことをおすすめします。
またAmazonなど返品・交換が可能なサイトで購入するとより安心でしょう。
ディッキーズの874ワークパンツ5選。おすすめカラーを紹介
ここからは874ワークパンツの豊富なカラーバリエーションの中から、特に大人の男性におすすめのカラーを5つご紹介します。
1. カーキ
874ワークパンツを代表するカラーであり、一番人気でもある「カーキ」。前述したようなディッキーズのルーツを知ると、1本目に選びたくなりますよね。
カーキと聞くと、くすんだグリーン系の色味を連想する方も多いのではないでしょうか。本来カーキ(khaki)とは「土ぼこり」を意味する言葉で、黄色味をおびた淡い茶系色のことをいいます。もともと軍服から生まれた色なので、ファッションにおいては迷彩柄に使われるようなグリーン系のカラーも含まれるようになったといわれています。
「ベージュ」と言った方が分かりやすいかもしれませんが、874ワークパンツには「デザートサンド」という同系色のカラーもあるのでご注意ください。
2. ブラック
言わずと知れた万能カラーのブラック。モード系やジャケパンスタイル(セットアップではないテーラードジャケットとパンツを組み合わせるスタイル)など、幅広いコーデにマッチしてくれます。
874ワークパンツは表面にコーティングが施されているため、購入したてはパリッとした履き心地です。しかし、穿いて洗ってを繰り返すと次第に自分の肌になじんでいきます。デニムやレザーの経年変化を楽しむように、“自分だけの一本”を育てられるのも、874ワークパンツの魅力の一つです。
3. ダークブラウン
ダークブラウンは温かみがあり、秋冬におすすめのカラー。ベージュなどの同系色と合わせると、より柔らかい印象に仕上がります。重たくなりすぎないシックなカラーは大人の男性にぴったりです。
4. チャコール
チャコール(charcoal)とは「炭」「木炭」という意味で、ファッションにおいては炭のような暗めのグレー色のことを指します。スーツにもよく使われるカラーなので、まさに“スラックス感覚”で着回せるところがおすすめポイント。ホワイトやブラックなどはっきりとしたカラーと好相性です。
5. ハンターグリーン
最後はモノトーンコーデの差し色におすすめしたい「ハンターグリーン」。狩猟服に用いられていたことから名付けられた深みのあるグリーンは、色味の主張が少なく、普段ベーシックカラーを着ることが多い方にも取り入れやすいカラーです。1本目はベーシックカラー、2本目は色ものを取り入れてみてはいかがでしょうか。
874ワークパンツは“大定番”だからこそいい
今回はディッキーズの874ワークパンツをご紹介しました。定番中の定番アイテムには、長く愛され続けている理由があります。まだ874ワークパンツを穿いたことがないという方は、ぜひ豊富なバリエーションの中から自分にフィットする1本を探してみてください!
「着たいトップスは決まったけど、それに合うボトムスがない」「お気に入りのトップスばかり着ているので、コーデにアクセントがほしい」
プライベートの時間はオシャレしたいけれど、こんなふうに悩んでいる大人も多いのではないでしょうか。ついつい同じようなボトムスばかり買ってしまって、いざ出かけるときにコーデに困ってしまうこともありますよね。
本記事では、これだけ揃えておけばいろいろな種類のトップスに合わせられる、ワードローブに入れておきたいボトムス5つを紹介します。おすすめするボトムスの特徴や、実際に選ぶ上で気を付けることも解説するので参考にしてください。
組み合わせに悩むことからもう解放されて、本来のコーディネイトのワクワクを味わいましょう。
ワードローブに入れたいボトムスの特徴
大人がいろいろなコーデを楽しみたいなら、ぜひワードローブに入れておきたいボトムスの種類があります。それらおすすめのボトムスには特徴があるので以下で紹介します。
定番として認知されていること
おすすめするすべてのボトムスに共通する特徴は、誕生の歴史はさまざまでも現在では定番として認知されていることです。
伝統と呼ぶのは大げさですが、定番化するものには「定番化するだけの魅力があり、それを認められてきた歴史」があります。種類によってその魅力はデザイン性・機能性などさまざまですが、流行に左右されることなく今後もその魅力を発揮してくれるはずです。
前衛的なギミックを持ったボトムスもたしかに素敵です。ただ、優先順位としてまずは定番として認知されるにいたった種類を所有するのをおすすめします。実際に履いてみると、なぜ人気なのか再確認するはずですよ。
固有のギミックがあること
そのボトムス固有のギミックがあることも特徴の一つです。
たとえば、ステッチや補強の方法、ポケットの数や付いている場所と付け方など、ボトムスによってギミックは違います。ギミックが違えばシルエットの違いにつながり、デザイン上のアクセントにもなります。
ギミックの違うボトムスを揃えておけば、トップスとの組み合わせに応じて足し算引き算をしてコーデを完成させられますよ。
経年変化を楽しめること
筆者が強く推したいボトムスは、履いていくことで経年変化を楽しめるという特徴を持ったものです。
ボトムスの種類によっては、素材や生地の編み方はそれぞれ。履き込むことによって生まれる「色合いや陰影、生地の質感」の経年変化は違います。それぞれ違った味わいのあるアイテムへと変化を遂げてくれれば、コーデに奥行きをもたらしてくれることは間違いありません。
ボトムスを揃えるなら、それぞれ違った経年変化が見込める種類を選びましょう。違う表情を見せてくれることで、飽きずに大切に履き続けようと思えるはずです。
選ぶ上で気を付けてほしいこと
各種ボトムスを選ぶ上で気を付けたいことが3点あります。以下でそれらについて詳しく説明します。
まずは定番カラーを選ぶ
もちろん自分好みのカラーや限定カラーなども魅力はありますが、まずはボトムスごとの定番カラーを選ぶのがおすすめです。
たとえばデニムパンツを買うのであれば、まずはベーシックな濃紺のものを選びましょう。たしかにフェードしたアイスブルーのデニムやブラックデニムも特有の魅力があるのですが、はじめは濃紺のワンウォッシュくらいのジーンズがおすすめ。トップスを選ばない落ち着いた濃紺色それ自体も、デニムをおすすめする理由の一つだからです。
定番カラー自体がボトムスの特徴の一つである、というのは他のボトムスでも同様です。ベーシックなコーデを楽しんでいきたいなら、まずはボトムスの定番カラーを押さえておくと使い回しに有効ですよ。
合わせ方を想像してサイズを選ぶ
そのボトムスをどのようにコーデに落とし込むか、他のアイテムとの合わせ方を想像してサイズを選ぶように気を付けてください。
大人男性がフィッティングを選ぶ場合は、体型に合ったジャストサイズが基本です。
ただ、ミリタリーパンツなどで「あえてダボっとしたシルエットを楽しむ」ために少しサイズアップして履くのも選択肢の一つ。手持ちのトップスとの組み合わせを思い浮かべながら、どんなシルエットのものがほしいのか自問自答するのがいいですよ。
自分の目指すスタイルにはジャストサイズかワンサイズアップどちらが良いか見極めて、後悔しないアイテム選びをしてくださいね。
気に入ったブランドのものを選ぶ
いろいろなブランドのモデルを比べてみて、自分が本当に気に入ったと思えるものを選択することを強くおすすめします。
ボトムスの種類もさまざまですが、同じ種類のボトムスでも販売しているブランドもさまざま。ブランドごとにデザインや生地に対する解釈や取り入れ方は微妙に違います。
たとえばシルエットは、起源となった当時のパンツをそのままを再現しているものや、ギミックは採用しつつもテーパードさせるなど現代的に修正しているものなどがあります。
「ブランドイメージや見た目、履き心地」など、さまざまある要素から自分が気に入ったブランドのモデルを選びましょう。履き続けて経年変化による魅力を感じていくことも大切なので、そもそも自分が長く履きたいと思えるようなモデルでないと意味がないからです。
世間の評価を参考にしつつも、最後は自分が気に入ったアイテムかをしっかり見極めてくださいね。
ワードローブに入れたいボトムス5つ
大人男性がコーデを楽しむ上でワードローブに入れたい王道のボトムスを5つ紹介します。以下でボトムスごとの簡単な説明と著名なブランドのモデルを紹介するので、ぜひ購入の参考にしてください。
デニムパンツ
今や最もポピュラーなカジュアルパンツと言っていいデニムパンツ(いわゆるジーンズ)、これはマストで持っておきましょう。経年変化という観点からも王道中の王道です。
デニムという生地は17世紀にフランス南部のニーム地方で生まれた「セルジュドゥニーム」がルーツ。その後19世紀後半、ゴールドラッシュに湧くサンフランシスコで、採掘者向けにリーバイ・ストラウスが作ったワークパンツがジーンズです。独特の紺色は、元々ヘビや虫除けのために天然インディゴで染められたことによります。
今回はジーンズの産みの親LEVI'S(リーバイス)のヴィンテージライン「LVC」から、「1947 501 ジーンズ ORGANIC リジッド」モデルを紹介します。
ジーンズが作業用からファッションに取り入れられる過渡期の1947年当時のディテールを再現。無骨な側面を残しながら、現代のファッションにも取り入れやすい形になったモデルです。
チノパンツ
オフィスカジュアルとしても許容されるチノパンツ(チノパン)は、実は元はミリタリーで使用されていました。定番のカーキやベージュ系の色味のものを1本持っておくと重宝します。
基本は綿による綾織りの厚手の生地「チノクロス」はとても丈夫で、カーキ系の色味は落ち着いた印象を与えます。大人の男性がオンでもオフでも履けて、スラックスの代わりにカジュアルダウンするにはちょうどいいパンツです。
今回は、日本の東洋エンタープライズがミリタリーを中心に展開する本物志向のブランドBUZZ RICKSONS(バズリクソンズ)から、ミリタリーチノ オリジナルスペックを紹介します。当時のものはあまりにも極太のシルエットであったことから、オリジナルでもう少し細くアップデートして普段使いしやすくしたパンツになっています。
カーゴパンツ
国や年代で種類もさまざまなミリタリーパンツであるカーゴパンツ。トップスとの対比によるコーデのアクセントとしてぜひ所有しておきたいアイテムです。
カーゴパンツは貨物船(カーゴ)の作業員向けのパンツであったものが、その後各国の軍隊で採用されるに至りました。最大の特徴は、膝上のサイドに大きなポケットが備わっていること。モデルによって取付けられ方は違いますが、そのポケットによってパンツ全体のシルエットは独特な立体感を持ちます。
こちらで紹介するのは、バズリクソンズが再現したM-1951 フィールド トラウザーズ。アメリカ軍が1951年の朝鮮戦争時に採用した野外用戦闘服のパンツです。その採用年から単にM51パンツと呼ばれるアイテムで、極太の渡り幅に立体的なサイドポケットというシルエットが現代のファッションにスパイスを加えてくれます。
ベイカーパンツ
ここ数年で人気が上がったミリタリーパンツの一つ、ベイカーパンツもワードローブにあると助かる存在です。
正式名称はユーティリティパンツないしはファティーグパンツ。米軍で採用された作業用のパンツであり、ミリタリーであるとともにワークの要素も強いボトムスです。ベイカーと呼ばれるに至った由来は、パン職人が履いていたからなど諸説あります。
デザインの特徴は、正面から見えるL字形のポケット。カーゴパンツのようにサイドポケットがあるわけでも、渡り幅が極太であるわけでもありません。チノパンと同様に、ちょうどいい太さのリラックスシルエットで、良い意味でクセがないのでいろいろなトップスと合わせることができます。
今回紹介するのは、ミリタリーやワークのアイテムを独自の解釈で現代化する日本ブランドorSlow(オアスロウ)より「5002 US ARMY FATIGUE PANTS」。独特なムラ感を表現したリバースサテン(バックサテン)生地が抜群で、最高の経年変化で持ち主を楽しませてくれます。
ワークパンツ(綿ポリ混紡)
案外カジュアルになりすぎず使えるのが、綿ポリ混紡素材のワークパンツ。この種類のボトムスは大人コーデでも使えます。
綿35%とポリエステル65%の比率で混紡された綾織りの生地はTCツイルと呼ばれています。化学繊維が混ざっていることで速乾性や耐久性がありシワになりにくいという便利さや、綿とは違った光沢感・風合いがあることがこの生地の魅力です。
作業用ということで安価に制作できるシンプルな見た目のものが多いので、相手のトップスを選ばず冬以外の3シーズンであれば着回すことができます。
紹介するのは、大定番であるDickie’s(ディッキーズ)874というモデル。TCツイル生地を使ったストレートシルエットはちょうど良い太さで、センタープレスが入る仕様もカジュアルすぎる印象に待ったをかけてくれます。
5つのボトムスをコーデによって使い分けよう
本記事では、大人がワードローブに入れておきたいボトムスを5種類紹介しました。
それぞれのボトムスにはそれぞれの魅力があります。固有のギミックがありシルエットがおもしろいもの、経年変化を楽しめる生地のもの、カジュアルすぎず使えるもの。シーンや気分に合わせて履けるものを用意すれば、コーデすることがより楽しくなるはずです。
流行り廃りのない定番ボトムスで、肩の力が抜けた大人のファッションライフを謳歌してくださいね。